○一方で、そのプーチン首相の公式サイトでの発言をちょっと取り上げたいと思いますが、プーチン首相の公式サイトによると、五六年宣言には歯舞、色丹の二島がいかなる諸条件の下に引き渡されるのか書かれていませんとされております。さらには、二島が引渡しの後どちらの主権下に置かれるのかについても書かれてはおりませんと公式サイトでは表現されております。

 そこでお聞きしますが、まず、玄葉大臣、このホームページの内容、原文を認識しておりますか。
 

○玄葉光一郎国務大臣

 当然認識をしています。

 

○この引渡しと返還という言葉を使い分けていることに対して、大臣、この現状をどのように認識しているのか。また、これをやはり日本側としてしっかりと論破していく必要があると思いますが、どのようにお考えですか。

○玄葉光一郎国務大臣

 引渡し、そして返還、そういったことも十分認識をしています。その上ででありますけれども、私は、プーチン大統領の発言に対する解釈を私がこの場で今することはやはり適切じゃないというふうに思っているんです。

 ですから、今おっしゃっていただいたことも含めて、全て認識をしています。

 

○今後、そのロシアとの関係強化という部分でいうと、やはり資源の問題になると思います。

 特に私は、ロシアの天然ガス、LNG、あるいは、今の段階で埋蔵量がどうだというふうには明確にはなっていませんが、将来のシェールガス、これはもう間違いなくロシアは豊富に埋蔵されているだろうというふうに言われておりまして、今後の日本の購入あるいは共同開発、あるいは原発事故後のエネルギー供給先としてどのように考えているのか、これは大臣と、あと経産省のお二方に伺いたいと思います。

○玄葉光一郎国務大臣

 エネルギーの安定供給は、もうこれは外交の大事な目標の一つでございますから、まず供給源を多様化していくということが大事であります。日ロの外相会談でも、具体的にウラジオストクのLNGであるとかサハリン3とか、幾つか具体的な案件について話合いを持ちました。

 今の御質問はシェールガスでございます。今、現時点ではシェールガスはロシアで商業生産が開始をされているということではないというふうに思います。エネルギー関係の協力について進めていくということについては私は肯定的であり、大切なことであるというふうに考えております。

○柳澤光美経済産業副大臣

今、玄葉大臣からお答えのとおりですけれども、実は私も九月から原子力災害の現地対策本部長で入っていまして、その影響で原子力発電所が運転停止に追い込まれる中で、特に火力発電用のLNGの需要は大変増加しておりまして、この安定供給の確保というのが今最大の課題になっています。

 近年、サハリン2からのLNG輸入が開始されまして、二〇一一年では我が国のLNGの輸入のロシアからは九%をもう占めるようになっております。今後とも我が国へのLNGの安定供給を確保する上で、我が国に近接する資源大国であるロシアとの協力は大変重要だというふうに考えておりまして、ウラジオストクにおけるLNGプロジェクトの事業化等を日ロ共同で検討をしているところでございます。
 

 

○資源を持っている強みと、やはり日本の場合は資源のない強みというのをつくらなければなりません。それは、どことどういう形で供給先をしっかりと提携するか、資源を選ぶことができるというのが私たち日本の強みです。それが私は一つの有効なカードになると考えます。

 今後、やはり外交において、特にロシアとの、この北方領土も絡んだロシアについては有効なカードを積み上げていく、そして時にはそのカードをメッセージとしてしっかりと見せる、そのようなしたたかさを政府には是非持っていただきたい、そのように思いますので、これを外務大臣、しっかりやっていただくことをお願いしまして、質問を終わります。