自由民主党の北海道の長谷川岳です。
 最初に、五か月前に質問させていただきました、ハンターの入林に関して一括入林承認の仕組みを全体に拡大、そして各県と連携しながら道有林、県有林の入林手続の簡素化を進める、そして凡例のフォーマットの統一をしてホームページで公開するということを、前向きにやりますという話でありましたが、全く進んでおりません。これどうしてでしょうか。
 

○森本哲生大臣政務官
 お答えさせていただきます。
 平成二十三年度分については既に地図を配布済みであるため、二十四年度作成分から、御指摘のありました、ここちょっと遅れましたが、統一することを準備中でございます。
 地図のホームページの掲載については、道東の五森林管理署についてはホームページに掲載済みという報告を私のところには受けておりますので御確認いただきたいと。そしてほかの森林管理署の地図については平成二十四年度から掲載する予定ということで処理させていただいております。

○つまり、その一括入林の承認の仕組みを全体に拡大するということはもう既に指示が出ているということでよろしいですか。
○森本哲生大臣政務官
はい。これは指示を出しておりますので、北海道全域において取り組んでいくということでございます。

○残念ながら、ハンターの方々はそのような認識ではなくて、まだ何の動きも現場ではないという認識を持っております。もう一度、政務官はこれを確認してほしいと思います。というのは、今日は委員長の提案で鳥獣による特措法の改正もありまして、やはり鳥獣被害をいかに防いでいくかという前提として、こういったやはりハンター側への配慮、あるいはこういった農水省、林野庁の含めた努力によって変えられる部分たくさんあると思います。ですからこそ、こういうことについてできるだけ早急に分かりやすく皆さんに伝えるようにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○森本哲生大臣政務官
 年度の端境期で大変御無礼が、御無礼というか情報徹底がなされていない点もあろうかと思いますので、そこのところ、私の方からしっかり申しますので、よろしくお願いします。

○よろしくお願いいたします。
 それでは、酪農、畜産について今日は質問させていただきたいと思います。
 北海道において、一昨年の夏の猛暑により思いどおり乳量が伸びずに、一方、今年の冬は大変厳しい冷え込み、マイナス二十五度、これ大臣、マイナス二十五度って経験していただいたら分かると思いますが、大体鼻毛が一つになるような感覚があります。それから、耳が、汗かいたところからすぐ霜焼けが出てきます。それぐらい厳しい、作業工程が非常に厳しい中で早朝から搾乳されているような大変な苦労の中で酪農家の皆さん頑張っておられます。
 ところが、北海道の酪農地帯における酪農家では、平成二十三年、この一年間の現金収支による農業所得というのは前年に比べて五%以上減っているという話を聞いております。それから、北海道では、平成十五年に八千三百戸の酪農家が約二割、六千七百三十八戸に減少しておりまして、八年間で千六百戸が離農している現状であります。昨年だけでも、十勝管内六十戸、そして道内では二百十二戸が離農されている。その要因は、やっぱり、一つ目に、酪農をやめて経営転換したというものと、あるいは高齢化と後継者の問題で離農した方、そして三つ目が、将来への不安、負債問題で離農したものが挙げられております。この先、酪農をしても明るい将来がない、所得も上がらずに投資もできない状況が続くなら、赤字になる前に見切りを付けた者、それから、国はTPPに参加するのではないかという形で、非常に前途に対して不安を持って離農した方、非常に切実な悩みを抱えておいでです。
 そこでお尋ねしますけれども、本当に飼料それから燃油の高騰の中で、今年の乳価で酪農家は離農せずに営農を継続し、規模拡大できると大臣としてはお考えでしょうか、お聞きしたいと思います。
○鹿野道彦大臣 
平成二十四年の加工原料乳生産者補給金につきましては、単価につきまして十二円二十銭というふうな形で畜産部会に諮問させていただきました。そして、限度数量につきましては百八十三万トンということで諮問いたしまして、今議論していただいているところでございます。
 基本的に、私どもといたしましては、今先生が言及されたこと等々を、十分というふうなところまで、というところはいろいろな評価もあるところでございますけれども、相当私自身も踏み込んだ形で事務方にも指示をいたしまして、政務三役とも判断をしながら取り組んできたところでございまして、そういう中で、一気にそう簡単にというふうなことではないかもしれませんけれども、今回の諮問案というものは、現下の経済状況というふうなものをある程度反映させていただいたものでありますし、また、限度数量におきましても、相当空枠というふうなもののところもある中でも頑張っていただきたいというふうな思いを込めてこのような数字を諮問させていただいたというふうなことでございまして、何とか今回のこの考え方というふうなものが酪農家の経営安定というふうなもの、あるいは乳製品の安定供給に結び付いていっていただければなと、こんな思いで諮問案を出させていただいたということだけは申させていただきたいと思います。
 

○補給金単価算定に当たって、トウモロコシのシカゴ相場が最近では徐々に値上がり傾向であると、それから為替相場が少しずつ円安傾向にあるようですけれども、こういった、これらの穀物市況がどのように補給金単価に反映されたのか、伺いたいと思います。
○鹿野道彦大臣 
いわゆる配合飼料価格を含む流通飼料費の上昇というのは、六銭分の単価引上げ要因と、このようなことで試算をさせていただきました。

○不安定な中東情勢にあって、特に原油価格の高騰が続いておりまして、酪農、畜産農家が使用する軽油、それから灯油の価格も高騰しています。酪農、畜産農家の皆さんは、購入配合飼料に頼らずに、なるべく自給飼料を増やすように飼料面積を今増やしています。その面積をこなすためには、当然ながら、機械の大型化というのもありますし、それから使用する軽油の量も年々増えているという実情があります。この中で、軽油高騰というのは経営に非常に影響を与えているのをまずは認識していただきたいというふうに思います。
 しかも、今年の冬は平均に比べて雪が非常に多くて、しかも非常に寒い。日中の最高気温も本当に上がらない日が続きまして、牛舎での灯油使用量も増えている中での灯油高騰は非常に厳しい。これら灯油価格はまだまだ上がるということだと思われますけれども、この燃油高騰分が補給金単価にどのように反映されたか、伺いたいと思います。
○鹿野道彦大臣
 軽油、灯油を含む光熱動力費の上昇というのは三銭分の単価引上げ要因と、このように試算をさせていただいたところでございます。

○もう一つ、限度数量に関しては、前年比二万トン減少の百八十三万トンということでされておりますけれども、このような数字の理由も伺いたいと思います。
○鹿野道彦大臣 
御承知のとおりに、先ほど申し上げましたけれども、空枠というふうなところが二十一万トンというふうな中で、そういう中でもできるだけ、とにかくバターの不足等々もございますので酪農家の人に頑張っていただきたいというような気持ちから、こういう百八十三万トンということを設定させていただいたと、こういうことでございます。

○食料・農業・農村基本計画において、平成三十二年度の生乳生産量を八百万トンというふうに目標設定しておりますが、この目標設定に向けて、これは果たして本当に達成できるのか、どのような形で達成されているのかを伺いたいと思います。
○岩本司副大臣
 平成二十二年三月に策定、公表されました食料・農業・農村基本計画におきましては、平成三十二年度の生乳の生産数量目標を八百万トンと設定をしたところであります。
 一方、生乳生産の状況を見ますと、近年、酪農家戸数や経産牛頭数が減少しているものの、飼養規模の拡大や一頭当たり乳量の増加により生乳生産量はわずかな減少にとどまっておりましたけれども、平成二十二年度以降の、先生先ほど御指摘の一昨年の猛暑や昨年の東日本大震災の影響もあり、一時的に生乳生産量の減少幅が拡大したところであります。
 昨年の夏以降、生乳生産は回復傾向で推移しているところでありますけれども、農林水産省といたしましては、生産数量目標の達成が図られるように、輸入チーズを国産チーズに置き換えるためのチーズ向け生乳の供給拡大ですとか、ヨーグルトやチーズを含めた学校給食における牛乳、乳製品の供給、また乳牛の改良、ヘルパー等支援組織の育成、活用等を推進してまいる所存であります。

○それでは、より具体的に聞きます。
 例えば、全国八百万トンの目標のうち、北海道の目標設定四百三十三万トンになっています。一頭当たり八千九百キロ搾る目標設定になっています。毎年北海道で今二百戸減少している場合、この平成三十二年には五千戸を酪農家は切ります。経産牛の頭数も減少して酪農家戸数も減少している中で、酪農家戸数は何戸で、その頭数の規模はどのような姿を目指していますか、農水省としては。教えてください。
○岩本司副大臣
 戸数の計算は出ませんけれども、現状を維持すると。先生御指摘のとおり、ちょっとこの設定目標が高過ぎるんじゃないかという御指摘でございますけれども、我々もこれの目標に向かって全力で取り組む決意であります。

○もう一度繰り返しますけれども、やはり毎年酪農家の戸数は減っているんです。それから、経産牛の頭数も減少しているということからいって、これ一頭当たりが八千九百キロ搾る目標設定というのはやっぱり非常に高い目標設定なんです。ですから、それなりにやはり支援制度をつくっていただくことが私は必要だと思いますが、いかがですか。
○岩本司副大臣
 先生御指摘のとおり、平成二十三年度には全国で二万一千戸の経営が存在しておりますけれども、毎年約千戸程度減少している状況であります。
 その中で、先生御地元の北海道におきましては、これは道庁の調査によれば、毎年二百戸程度が酪農経営を中止と。理由としては、畑作等への経営転換がこれは半数、約四三・一%ですね、を占めているものの、先ほど先生も御指摘ですけれども、高齢化、後継者難による廃業も約二六・七%、約三割程度存在するものと承知しております。
 これは繰り返しになりますけれども、こうした厳しい中で経営を継承しつつ生乳の生産基盤を支えるためには、法人化等により規模拡大を進めることと併せて、酪農家へ飼料を供給するTMRセンター、子牛育成施設の整備ですとか、あと、休日を確保するための酪農ヘルパー制度の推進などにより、比較的規模の小さな家族経営を支援することが重要と認識をいたしております。
 これは、なお後継者不足等で離農せざるを得ない牧場につきましては、強い農業づくり交付金におきまして、公社などが離農跡地ですとか後継者不足、不在施設ですね、を新規就農者等に貸し付けるために必要となる整備、改修や乳用牛の導入等に対して支援を行う、いわゆる農場リース事業を実施しているところであります。

○シンプルに伺いますが、平成三十二年の目標に向けて酪農家に対する支援制度の拡充をしていくという、そういう考え方でよろしいでしょうか。
○岩本司副大臣
 そのとおりでございます。

○ありがとうございます。
 さらに、草地改良対策についても伺いますが、先般、岐阜の方にも行かせていただいて、こういった飼料米等も見させていただきましたが、なかなか北海道で飼料米が適用できるかという、なかなか難しい場所であります。
 こういった草地改良対策について、改良したくても予算が十分ない、今後やはり拡充していく予定はありますか。
○岩本司副大臣
平成二十二年三月に閣議決定しました食料・農業・農村基本計画におきましては、飼料自給率を平成二十年の二六%から、平成三十二年には三八%に引き上げる目標を設定をいたしております。
 これを踏まえまして、二十四年度予算案におきましても、大型機械化体系に対応した効率的な飼料基盤の整備を行う戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業等に加えまして、これは、草地の整備を含む暗渠排水等の農地の整備を実施する農業体質強化基盤整備促進事業のほか、飼料作物の優良品種の導入により生産性の向上を図る草地生産性向上対策事業、これ六億円でございますけれども、推進するための予算を措置をいたしております。これらの予算を措置しまして、草地の基盤整備を図ってまいる所存であります。

○拡充を図るということでよろしいですか。
○岩本司副大臣
 そのとおりでございます。

○昨年も質問しましたけれども、飼料、燃油高騰により畜産、酪農家への影響が生じた場合には、やはり期中における価格改定等もするか確認をしたいと思います。
○鹿野道彦大臣
本日、配合飼料価格の改定につきまして諮問を行った補給金単価の算定につきましては、いわゆる配合飼料価格というものを適切に反映したものだと思っておりますが、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法等によると、特に必要があると認められたときは補給金単価等を改定することができると、こういうふうなことになっていることを十分私は承知をいたしております。