長谷川 岳です。


脚本家の倉本聰先生が、東日本巨大地震の被災地の方々のために、現在、取り組んでおられるプロジェクトがあります。


倉本先生が代表の市民グループ「被災学童集団疎開受け入れプロジェクト」では、活動拠点である北海道富良野市で、東日本大震災で被災した子どもたちの疎開を受け入れております。これは、小中学生を対象に富良野市内の有志が受け入れ、共に生活してもらうというものです。北海道までの移動費や生活費は、同プロジェクトで用意し、保護者やお年寄りのケアについても相談に応じるとのことです。


その取り組みが、4月12日の福島民報社、福島民友に掲載されました。


(4月12日 福島民報社)

参議院議員 長谷川岳 オフィシャルブログ「長谷川岳 強い北海道をつくる!」Powered by Ameba



(4月12日 福島民友)


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私は、昨日4月11日に、福島の避難所を訪れた際、両新聞社を訪れ、倉本先生のメッセージをお届けしました。

メッセージには、倉本先生が、被災地の皆様のためにできることをなんでもしたい、という熱い気持ちがあふれています。


この度の災害。言葉も出ません。
俺たちの気持がお前らに判るか、と云はれそうですが。日々の報道に接しながら、本当に心のつぶれる思いです。
地震、津波、そして余震。
更には思いもかけぬ原発事故。
家を流され、御家族、御友人を失い、更には仕事の基盤まで消失された皆様のお気持に、心より御同情申上げます。

さて、その時にあたり、我々北の国・北海道富良野の住民は、今みなさまに対し何が出来るかと我々なりに懸命に、真剣に考えて参りました。

今はまだ災害の混沌の中、お気持の整理もつかない状態だと思いますが、僕らの心配しているのは、現在の被災地のお子様たちのことです。
報道によれば、避難場所を転々と移動する中で、転出地の学校に一時期通い、再び別の場所・別の学校へ転校するなど、落着かない気持で、折角知合った新しい友人とすぐ又別れるという不安定な暮しを強いられている小・中学校の生徒たちが多数おられるということです。
学童にとって大事なことは、学校というものが、単に学業を教える場ということよりは、そこで多くの友人を得られるということです。


私事にわたって恐縮ですが、私も妻も、あの第二次大戦中、戦火を避けて学校単位、地域単位で地方へ避難した、学童疎開(当時は集団疎開といゝました)の体験者であります。私の場合、山形へ行きました。最初は、先生引率のもと、旅館・寺などでの集団生活。戦火が厳しくなると更に田舎の地域社会に、民宿(ホームステイ)という形で分散しました。
勿論先生も同伴し、本部というものを置いてそこに常駐し、毎朝一緒に地元の学校へ。
地元の生徒たちと交わりながら、地元の先生に教わることも、又、引率の先生に教わることもありました。
何より大きかったのは、同年輩の子供たちを含め、田舎という緊密な地域社会との新しい絆・友情が芽生えて行ったことです。

戦時下と今では、豊かさ、平和の度合いがちがい、又、都会と地方では更にその度合いに格差があると思います。
しかし、今回被災地の方々が、あの苦況の中でお互い助け合い、一つのにぎりめしを分け合って食べておられる地域の絆の強さに涙しながら思うことは、我々北海道の人間なら、皆様の絆の強さを尊重しつゝ、新しい人間同士の新たな絆を構築できるのではないかと信じるのです。


そこで御提案です。
皆様のふるさとがはっきりした再建の見通しの立つまで、短期でも中期でも長期でもかまいません。
学童たちをしばらくこちらへ、学校単位、地域単位、或いは親しいサークル単位などで、北海道へ移動させては如何でしょうか。
私の住む富良野はドラマ「北の国から」で少しは名の知られた過疎の町ですが、暖かい人間ばかりです。
いつでも皆様をお受け入れできる用意があります。
特筆すべきはこゝに住む現地の学童たちが、是非自分の家に来て欲しい、お友だち、兄弟のようになって一緒に学校へ通いたいと云ってくれていることです。

被災地から当地への移動費、生活費、一切の支出は御心配いりません。全て当地で用意します。
我々は皆様を迎えられることを、心からよろこびとしております。

又、お子様方とどうしても離れられない親御さん、或いは御老人などのケアについても、然るべく話合って御相談に応じたいと思っております。

今の、苦しいお立場の中で決して押しつける気持はありません。
ただ、こちらには、いつでもそういう方々を受け入れる準備があるということ、それぐらいしか今の我々には皆様をお助けする術がないことを思い、そのような、いささか突拍子もない御提案を申上げる次第です。

お考えいたゞければ倖いです。
いつでも細かい御説明にうかがいます。
皆様の御意志をおきかせ下さい。


被災学童集団疎開受入れプロジェクト
代表 倉本 聰


被災地の子どもたちが、この富良野市に住み、富良野の温かい人々とふれあえば、きっと元気を取り戻し、ふるさとの復興にのぞむことができると思います。


倉本先生のご活動に、私も力をいただきました。

被災地の復興の日まで、精一杯の応援をさせていただきます。


長谷川 岳