長谷川 岳です。


本日、予算委員会で初質問に立ちました。


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質問に入らせていただきます。北海道選出、自由民主党、長谷川岳です。最初に、TPPについての姿勢を各大臣にお伺いしたいと思います。TPP参加に賛成か反対か、簡潔にお答えください。

・ 玄葉国家戦略大臣
6月に交渉参加について判断する、そういう立場です。

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・ 鹿野農林水産大臣
交渉参加については情報収集の段階、それを受けてこれからの判断。
・ 海江田経済産業大臣
6月に交渉参加について判断するということなので、その方向でと考えています。
・ 蓮舫行政刷新大臣
6月に政府として交渉参加、途中経過なので推移を見守っている。
・ 片山総務大臣
よく情報収集し国益考えて判断するものと思う
・ 野田財務大臣
6月に判断すべきと思う
・ 伴野外務副大臣
6月めどに情報収集し結論出したい



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TPP参加については、現在、開国フォーラムの開催など、国民的な議論を深めているところであります。しかしながら、このような時に、経済産業省の出先機関である地方経済産業局が、商工会議所等に出向き、「EPA/TPPの推進について」という資料を使って、EPA・TPPの説明を行っていると聞いています。


まず、経済産業大臣はそのような事実を認識しているのかお聞きしたい。
・海江田経産大臣

そのような事実を認識しているかということは認識しています。


大臣の指示で行っているのかお聞きしたい。
・海江田経産大臣

私が指示をしています。


どのような趣旨で行っているのかお聞きしたい。
・海江田経産大臣

開国フォーラムを全国9箇所、そのうちのひとつの石川県のフォーラムに参加したが、会場の都合で200人くらいなので、場所によっては大人数がはいるところもありますが、できるだけ多くの人の意見を聞こうということでこの会の開催となった次第です。


お手元の「EPA/TPPの推進について」(経済産業省作成資料)という資料をご覧ください。

このEPA/TPPの資料では、まず注目する点として、項目立てが、
1.FTA競争と日本の出遅れ
2.TPPの進展と日本の早期交渉入り決断の必要性
3.TPPのメリット:成長力強化とルール競争
4.高いレベルの経済連携と国内農業の両立
となっている点がある。どの項目、内容を見ても、EPA・TPPを推進しなければならないというトーン一色であります。再度お聞きしますが、経済産業大臣はこの資料を認識しているのかお聞きしたい。


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・海江田経産大臣

こういう資料が配られていることは認識しています。


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では、この資料の23ページに「TPP早期参加のメリット/参加遅れのデメリット」というページがある。「TPP早期参加のメリット/参加遅れのデメリット」とは、結局のところ両方とも参加のメリットしか提示していないのではないか?経済産業大臣にお聞きしたい。


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・海江田経産大臣
先ほど私からもお話したが、参加のメリットは書いてございます。その裏側に参加遅れのデメリットは当然推察されるわけで、読む方がそういうふうに読めるというのもあります。


繰り返しになるが、この資料では参加のデメリットが記載されていない。EPA/TPPについて情報を国民に幅広く提供し、議論を喚起しているさなかに、この資料の内容は、あまりにも偏り、誘導的ではないか?経済産業大臣に見解をお聞きしたい。

・海江田経済大臣

私どもは、この意味で、こういう表現をしてございませうので、その意味ではいろんな形のご意見も聞かれようかと思いますから、そういうご意見もしっかりと受け止めるつもりでございます。


では、このような偏った内容の資料が出回っていることについて、開国フォーラムを担当する内閣官房、及び農林水産省、外務省はどのように考えるかお聞きしたい。

・玄葉国家戦略大臣

今、拝見しましたが、開国フォーラム、私もさいたまと仙台、今度札幌にもおじゃましますが、いろんなことを率直にお話していますし、実はそこではこの資料は配っていません。いわゆる国家戦略室で作っている、損得もあるのだというニュートラルな資料を配っています。そのことは申し上げたい。

・鹿野農林水産大臣

農林水産省は関知していません。経産省の地方団体の説明に使われていたことも承知していません。早期参加のメリットと参加遅れのデメリットのみが記載されていますが、TPP交渉についてどうするか、判断するには十分に情報収集した上で判断すべきと思います。

・伴野外務副大臣

お答えします。いずれにしてもわが国が参加した場合、さまざまな立場があるかと思いますが、いずれの立場の方から見てもメリット、デメリットなど様々な検討をして国民の理解や深まりを高めながらも、六月をめどに交渉参加についての結論を出していくものと承知しております。



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では、少し角度を変えて経済産業大臣におたずねします。経済産業省と、地域の商工会議所や商工会は、どのような関係ですか。
・海江田経産大臣

地域の商工会議所、商工会はまさに現場でありますので、私どもが、経済産業政策をつくりあげていく上で、大変貴重なご意見をいつも頂戴しています。


商工会議所、商工会、経済産業省が監督官庁、つまり所管ということではないですか?
・海江田経産大臣

私は、出張にいくとき必ず地元の商工会議所ですとか商工会の方々とお目にかかっておりますが、監督と被監督いう立場ではありません。いつも本当に貴重な意見を聞かせていただく方々だと思っております。


もう一度伺います。商工会議所、商工会はどこの所管ですか。教えてください。

・海江田経産大臣

所管は私ども経産省でございます。


所管ということは、商工会議所や商工会に対する関連予算を持っているということですよね。大臣。予算はいくら持っているのですか。

・海江田経産大臣

手元に資料がないので今わかりませんが、いつも本当に貴重な意見を聞かせていただいている方々です。


中小企業庁の「平成23年度商工会・商工会議所関連予算案」資料には、23年度予算案として108億円計上されているのですよ。108億円。つまり、地元にとって、補助金や政策決定の権限をもっている経済産業省の出先局長の地方説明にあたっては、受け入れる地元は、やれ会場はホテルで用意しなくてはとか、食事はどうするとか、どう迎えるか皆さんてんやわんやなのですよ。そうやって迎えた上で、局長の説明は「TPPはこんなにメリットがありますよ」という、こんな内容です。言葉ではおっしゃらないかもしれないが、経産省から「TPP推進します」という資料を提示されたら、地元の商工会や商工会議所は暗に従えと言っているようなものではないですか?
・海江田経産大臣

そんなつもりはまったくございません。


それはあなたの想像力の欠如です。地域の皆さんが出先の局長が来ることがどれだけ重いことか、どう思いますか。

・海江田経産大臣

私も先だって鹿児島と宮崎に、新燃岳の関連で行ってきましたが、実際の生の声を聞かせていただきまして、その生の声の中には本当に経産省の施策に対する厳しい意見も多々ございました。しかし、私はそれをしっかり聞いて参りました。

経済産業大臣におたずねします。産業政策を国策とした戦後まもない日本が支えられてきたのは、労働力を提供してきた多くの農村漁村地域です。その原点を忘れたのか。大臣、お答えください。
・海江田経産大臣

私は昭和24年の生まれでございますから、私の仲間の中には、金の卵と言われて夜行列車で東京にきて町工場で働いてもくもくと支えられてきた方がいるということは重々存じております。


玄葉大臣におたずねします。
玄葉大臣、あなたは福島の選出で、農村中心のまさにお米の産地ではないですか。私は何度か福島の天栄村などにおじゃましたことがありますが、自然も豊かで、心温かい方々ばかりで本当にいいところだ。朝からいろいろな田んぼで草刈りしているところも見かけましたが、それは農家だけじゃない、商工会の人や地域の人がみんな一緒になってやっている。祭りや地域のイベントだってそうですよ。みんなが力を合わせて一緒になってやっている。それによって地域力というものがあがるんですよ。それをね、農家と商工会とを分断させるような説明を、経産省が地域を回ってやっている。これについて、どうお考えですか?

今回、一番の問題は何かというと、一つは所管の経済産業省がTPP推進やっているということと、もう一つは、商工会と農家さん、農業関係者の皆さんの分断を図っているんですよ。選挙も含めて今まで皆さんが地域で苦労されてきたことは商工会と農業界の分断ではないですか、どう思いますか。


・玄葉大臣
私の地元の状況もご存知と思いますが、商工会、農業団体それぞれの地域が連携していくことが大事だと思う。

それぞれファクトはファクトだと思う。農水省の資料、試算がある。かつてそういうことがあった。許容範囲の問題である。開国フォーラムで説明する際にはできるだけニュートラルという立場で考えています。できるだけ一回一回情報は整備されていると思いますので、できうる限り情報は精査したいと思います。


玄葉大臣、TPPに関して、開かれた議論というのは大いに結構だ。開国フォーラムも大いに結構。でも、経済産業省は裏でこういうことをやっている。偏った資料で、地域をまわって、根回しをしているんですよ。このような経済産業省のやり方について、玄葉大臣、どのようにお考えですか。

・玄葉大臣
状況を十分把握していないので、裏でやっていることではなくてファクトはファクトと説明されているのではないかと思う。開国フォーラムにあわせた形でどうかと思う。経産省のあり方ではあろうかと思うが、実際どのようなことが行われているのかということを把握した上で一定の指示を出したいと思います。


だとしたら、もう少し公正な資料の下で正式に、しかもこのような開国フォーラムのタイミングに合わせてではないやり方があるはずです。いかがですか・

・玄葉国家戦略大臣

経産省のあり方の問題でもあろうかと思うが、いずれにしても実際にどういうことが行われているのかということについて私自身が把握をした上で、必要ならばv一定の指示をさせていただきたいと考えています。


玄葉大臣はそう思っても、地元はそうは受け止めていませんよ。まさに「TPPを推進する」いわば「裏フォーラム」じゃないですか。その認識はありますか?よく検討していただきたいと思います。


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では、次は鹿野農林水産大臣にお尋ねします。
農林水産省は6次産業化を強く推進していて、1次、2次、3次といった農・商・工の連携をしていきましょう、としていますね。それにも関わらず、このように農業と商工が地域から分断されるような説明が各地でなされている。これについては、どのようにお考えですか。見解を伺いたい。

・鹿野農林水産大臣

先ほど申し上げたとおり、TPPについてはこれからの判断なので、情報を共有して議論をしてもらう必要があるわけでありますので、メリット、デメリットというもの双方をやはりきちっとした資料を提供して判断材料を提供するということが大変重要なことだと思っています。私自身も、このTPPの交渉参加については産業界対農業界というような形だけは避けなきゃいけないと思っているところです。


海江田大臣におたずねします。
1次産業の方と接して特に感じるのは、みなさんセンサーを持っているんです。センサーとはなにか。それは本能的な危機管理能力というものです。
その皆さんが、日本の食料がTPP参加によって世界で完全分業化されることについて、本能的な危機感を感じている。東京選出のあなたにはわからないかもしれないが、食料危機になったら東京の人は食べていけないかもしれないんですよ。こんな資料をつくって軽率じゃないですか。やるならオープンにすべきです。プラスもマイナスも提示すべきです。
こんなアンフェアなやり方、通じませんよ。私が聞くところによると、商工会議所などへの説明は全国でまだ数カ所まわっていない地域もあると聞いています。すぐにやめさせますね?経済産業大臣。
・経済産業大臣

生まれ育ちは東京だが、私の父は鹿児島でございますから、東京の人間にわからないということはない。
農商工連携という話も出たが、商業と農を分断させようなことは毛頭思っていない。これから日本の農業が生き延びるためには、商業や工業がこれまでたどってきた道のり、あるいは現在培っているノウハウを学び取ることも大事かと思うので、このフォーラムをしっかり続けていきたいと思う。


そうであれば、この資料はあまりにも偏っているので、これから回るとしてもはずしてください。よろしいですか。確約してください。

・海江田経済産業大臣

今日は時間も限られておりまして、具体的にどういうところが偏っているということも、たとえばこのファクトに間違っているというようなこともご指摘いただきたいと、そのご指摘をいただいた上でどうするかは私どもで判断させていただきます。


この資料の内容について、経済産業大臣にもう少し伺いたい。23ページの「TPP早期参加のメリット/参加遅れのデメリット」の中に、『米国との関係を強化し、日米同盟を補完』と記載されています。これはどういう意味ですか?大臣お答えください。

・海江田経産大臣

アメリカとの関係が大切なのは、これは安全保障の上でも経済の上でも大事なことは言うまでもない。今アメリカがこのTPPに対して、日本とアメリカとの二国間のFTAですとかそういうことも考えられるわけだが、今アメリカの関心はこのTPPにあると理解しています。


また同じ23ページには、『2011年のハワイAPECでのTPP成功を目指す米国を後押し』と記載されています。この「後押し」とはどのような意味か。

・海江田経産大臣

今年の11月にハワイでAPECの総会があるということはその通りで、アメリカは11月のハワイのAPECの総会に向けてこのTPPの妥結を目指したいというスピード感というのもしっかりと理解をしなければいけない。


日本の国益を中心に考えていますか、その発想は。大臣。

・海江田経産大臣

何度も言うが、今年の6月は交渉に参加するかどうかということを考えるということであり、私はまた、昨日、交渉参加していく中で本当に国益が守られないときに、離脱もあり得るとお答えを致しましたので、その考えをここで述べさせていただきます。


私が昨年11月5日の農林水産委員会で質疑に立った際、「日米同盟の再構築のためにTPPの参加検討を自ら表明することに至ったのでないか」と質問したところ、外務省の見解として松本外務副大臣が「日米関係とTPPは関係ない」と答弁されています。なのに経産省からはこういった資料が出ている。外務省の見解をあらためてお聞かせください。
・伴野外務副大臣

TPP協定は昨年11月の横浜APECで採択されました横浜ビジョンにおきまして、アジア太平洋自由貿易圏を追求して行く上で基礎となる取組と位置づけられておりまして、アジア太平洋地域におけます経済統合の枠組みとなり得るTPP協定に日米両国が参加することになれば、両国にとっても、また地域全体にとっても経済的、政治的に大きな意義を有するものと考えております。


委員会では、日米同盟の再構築のためにTPPの参加検討を自ら表明することについては否定されているんですね。今のご発言と違うんではないですか。

・玄葉国家戦略大臣

おそらく日米同盟再構築ということではない。米国というのはやはり大事な国であるから、経済連携を進めるのは大事だと。ただ、TPPは米国だけじゃなくてマルチであり、場合によっては21の国と地域が参加するかもしれない。あるいは、その他の国々との非関税の問題も多々あるということで、基本的には米国はワンオブゼムということだと思います。


そうであれば、16ページをご覧ください。


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「TPP協定交渉の経緯:着実に進展」では、矢印のベクトルをみると、最後は「アメリカ大統領選挙」となっている。「着実に進展」というのは、日本の国益をそこなってでも、アメリカの大統領選挙を後押ししようということなのか?いわゆるオバマ大統領の勝利のためなのか?どのような意味か?具体的に経済産業大臣にお聞きしたい。


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・海江田経産大臣

アメリカの大統領選挙があるとはその通りのことでありますので、そのとおりのことをそのまま書いたのだと思います。


そのとおりとはどういうことですか。教えてください。

・海江田経産大臣

アメリカの大統領選挙がその時期にあると言うことはもう本当に周知の事実でありますので、そのことを書いたということでございます。


なぜ地域の説明のためにアメリカの大統領の選挙の話が出るんですかと聞いているんです。

・海江田経産大臣

交渉ごとに入るか入らないかの決断をしなければいけないわけです。交渉ごとに入る場合は、己を知り、相手を知ることが交渉の鉄則でございますから、これは孫子の兵法でございます。


だとしたら、地域を回るときに地域の状況をまず聞くのが、それは一番海江田大臣の言っている兵法ではないですか。

・海江田経産大臣

今の本当に委員の貴重なご意見もありますので、私はまずやはり、必ず地域の方々の意見をよく聞くようにということを、今日ここでやりとりをしておることもみんなわかっていることですし、省に帰りまして、しっかりと地域の声を聞いてこいと、そしてこれまでに聞いた声をちゃんとまとめてそれをしっかりと拳拳服膺するようにいっておきます。


少なくとも商工会議所あるいは商工会を回るときに、この資料は配らないと約束していただけますか。

・経産大臣
一枚一枚よく目を通して一番適切なものをつくり意見交換をしていきたいと思います。繰りかえしになりますがもう一度目を通して熟読談義いたしまして誤解を与えないような表現にしたいと思います。


お約束をしてくれたと認識をしていいですか、大臣。

・海江田経産大臣

繰り返しになりますが、改めてもう一度私もこれをよく目を通しまして、そして熟読玩味をいたしまして、誤解を与えないような表現にしたいと思っております。


玄葉大臣、いかがですか。

・玄葉国家戦略大臣

今もう海江田大臣がおっしゃいましたから、私も熟読して必要ならば指示をすると申し上げましたが、しっかり熟読したいというふうに思います。


偏った情報で商工会議所、商工会を巻き込むことだけはやめてください。これで質問を終わります。ありがとうございました。


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初めての予算委員会質問が終わりました。

地域のため、我が国のため、その思いで質問させていただきました。


委員会の様子は、インターネットでご覧いただけます。

よろしければこちらも是非、ご覧くださいませ。

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php