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アナウンサー、会社経営者として働く日々とダウン症候群のある娘との日常ブログです



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先日、シンポジウム「知って、学ぶ!出生前検査のこと」(こども家庭庁委託事業)の司会を務めさせて頂きました。



当日の講演内容は、こちらのサイトから動画でご覧いただくことができるようになっています↓

https://prenatal.cfa.go.jp/event.html



出生前検査(NIPT)というのは、妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べるものです。


なんと、ダウン症については、99.9%という高い精度で見分けられるそうです。

ちなみに、流産のリスクもなく安全です。


さて、皆さんなら、

この検査、受けますか?


私がもしこの検査を受けていたら…😔

娘の命を否定していたかもしれない…、


そもそも、こんな検査って、あって良いのでしょうか?


少なくとも、娘がお腹にいる時に、私はこの検査を受けていなくてよかったと心の底から思います。


今、こうした診断ばかりが進歩して、サポートや、ルール、大事なケアが追いついていない…という現状があります。





聖マリアンナ医科大学の右田先生のご講演では、

改めて「検査は誰のため?何のためなのか?」が問われました。


懸念される問題点として、


・胎児の生存権(胎児は自らの意思を表明できない)


・女性の生殖に関する自己決定権(判断と責任は母親が持つのか?)


・検査は簡便で普及しやすいため、優生思想(病気や障がいのない子供を選択する)につながるのではないか


などが挙げられました。


また、昭和大学の白土先生のご講演では、

検査を提供している現場のうち、NIPT陽性だった場合の対応ルールが決まっていない施設が4割もあるということが指摘されました。


そして、医療者の対応業務について、6割が「負担を感じる」と回答されていることも。。。


今後、妊婦さんだけでなく、医療現場のフォロー体制も必要となるのではないか?との提言がありました。



最後にトークセッションでは、


・医師は医学的に正しく伝えるのが仕事であり、

実際には、患者(妊婦)さんやご家族にどう理解されているかは、また別に、患者と同じ立場でサポートする人と連携しないと、ちゃんと伝えきれないとのお話が印象的でした。


改めて、助産師や心理士など、患者と同じ立場でサポートする人の重要性が挙げられましたが、


それでも、突然(初めてのエコー検査などで)見つかった場合など、サポートするメンバーが急には集まれないため、現実問題としては難しい場合があること(事前に準備できている場合は良いが、実際そうでない場合もある)が改めて話されました。


また、情報提供のタイミングについても、

クリニックで超音波で見つかって、大きなショックを受けてから遺伝医師へ紹介されて来ても、そこからの遺伝カウンセリングは難しいのが実情で、出生前検査は10週から受けられるため、情報提供はなるべく早い方が良いとの意見もありました。



「親子の未来を支える会」の水戸川さん(写真左)は、日本ダウン症協会の理事でもあり、私も大変お世話になっていますが、


「妊婦さんは頭が真っ白になって、周りの声が聞こえなくなることもある」


そんな時、まずは、医師から言われたことを理解する時間を共有することも大事(一歩ひいて)と、現場でサポートされている方ならではのお話がシェアされました。


その上で、

『なかなか実際に、障がいのある子が、地域でどう暮らしているのかが見えてこない・・・』というお話もあり、これは、産む・産まないの意思決定に重要な要素になるため、

ダウン症のある子を育てる家族に会いたいと言われれば、繋いだりもしているそうです。


私自身も、改めて、色々考える機会になりました。


ダウン症のある子を産み、育てている母親として、メディアに携わる者として、

これからも、言葉選びには十分に気をつけながらも、改めて発信を続けて行きたいと思いました。



今、ここにある幸せと、

娘と共に暮らしている様子(事実)を、


当事者や家族だけでなく、妊婦さんや、将来の妊婦さん、これからご家族になる方々など、少しでも多くの人に届くように発信して行きたいと思っています。