あしや温故知新VOL 207   伝統のしゃこ踊り 

 

 盆踊で踊られるものには色々あるでしょうが、芦屋市上宮川町での「しゃこ踊り」は大正時代にはこの地域に定着していたようです。伊丹市の麦わら音頭なども踊りとして同系列のものと推測する専門家もいる。


    芦屋の浜でも地引網で取れた

    シャコ(蝦蛄学名: Oratosquilla oratoria)です。甲殻類 軟甲綱 トゲエビ亜綱 口脚目(シャコ目)シャコ科に属する節足動物の一種です。転じてシャコ目に属する種の総称にも使われる。寿司ダネなどになる食用種がよく知られる。地方名にシャコエビ、ガサエビ、シャッパなどがあります。


芦屋の浜で捕れたものですから、芦屋中にある踊りと思っておりました。


しかし、地域が限定されており、江戸時代が始まりのものだそうです。

口碑によると西宮市芦原地区から広がったといい、西宮市の西福寺では明治以前からこのしゃこ踊りを踊っていたという。

それが芦屋へ伝えられたのだが、伝わった年代がはっきりしない。

 

大正時代にようやく定着しはじめましたが、昭和の初めに西宮市から指導を受けたことがあったというのが史実だろう。

つまり、伝承された可能性が高い踊り文化なのです。

 

ようやく自分たちの踊りとして定着し始めたころに大東亜戦争となり、盆踊りは中断した。

戦後、有志の手によって復興事業が始まり、同好会が発足しました。

 

現在の踊りはもとの西宮市のものとは異なる部分があります。

実際、やっているところを見学したが、激しい。鳴り物もの(鐘や三味線など)の音を出す。

 

農業の収穫を喜んで「しゃこ」のように飛び跳ねて踊ることからこの名が付いたと言われる。

かつては、多くの踊り手がいて、疲れた人から入れ替わり休んでは踊りの輪にかえって踊り続けた。

 

伴奏は三味線とよつ竹・鐘・太鼓で激しいリズムの中で「三味線が勝つか!踊りが勝つか!」

とか「三味線の糸が切れるか、皮が破れるか」と言われたものである。


現在は伝承されるべく努力されており、また、あの元気な盆踊りを見たいものです。

 

民間で最近は踊られていないと関係者は言っておられますが、復活して欲しいですね。


差別に負けない!そう引き継がれた踊りなのです。


 【参考文献】

芦屋市史 昭和31年 本編

芦屋市史 昭和46年 本編

芦屋郷土誌 細川道草 昭和38

芦屋の里 島 之夫 昭和4

1979年 芦屋市教員委員会 芦屋の生活文化史

地域差別を跳ね飛ばせ!