あしや温故知新VOL206    芦屋川の蛍

 

 芦屋の里には芦屋川、片田川、打出川などが流れ、昔は奥山に樹木がよく茂っていたので水が流れるような場所ではないのですが、その芦の茂みにたくさんの蛍が飛び交っていたということを聞いた。

 

 葦のしげみに蛍が飛び交い、それが蛍の名所になっていたのです。

私が幼いころ、葦原の広場の横に流れていた大溝川にも蛍が育つために必要不可欠なカワニナがいたし、そこは幻想的な蛍が飛んでいた。

 

しかし、源氏ボタルで姫ボタルではないと記憶しています。

宮川下流より大溝川の方が多く蛍が飛んでいました。

 

記録によると毎年6日5日のころから小夏(7月7日)のころまでは幻想的舞が見られた。

現在は65は「国際環境の日」になっています。蛍にも縁がある記念日になっています。

 

さて、芦屋市の蛍は有名で、蛍を追う子どもは大騒ぎで近隣の友も呼び、にぎやかでその笑顔に溢れていた。

遠くの村人も芦屋の蛍見学に来ていたようです。

夏近くになると蛍は群れをして右に左に飛び、また、ひとつひとつが、まりのような塊になって空中に彷徨う。

 

そして地上に落ちる。

時には川面に流れる。

 

あちらこちらで大珠と小玉になって乱れ飛ぶ光景は三夜に止む。これを里人は蛍合戦と呼び、「業平の魂化して蛍となる」と称して古くから芦屋市の七不思議のひとつと数えられていた。

 

ロマンティックお話ですが

ゲンジボタルをはじめとしたホタルの成虫は、暗闇のなか、光でコミュニケーションを取り、交尾する相手を呼び合います。

 

 卵を持つメスはあまり飛び回らず、飛ぶのは主に身軽なオスと言われています。そして互いの居場所を見つけると、オスはメスのそばにとまり、点滅間隔を変化させるのです。

つまりは、求婚の行為ですね。



写真は芦屋川ではありません。🙇‍♂️






 【参考文献】

芦屋市史 昭和31年 本編

芦屋市史 昭和46年 本編

芦屋郷土誌 細川道草 昭和38

芦屋の里 島 之夫 昭和4

1979年 芦屋市教員委員会 芦屋の生活文化史