イカナゴ漁、今年の解禁日202232日でしたが、魚影が無い、、、。


 今年はどうだろう、、

 

  私の一族は(曾祖父が初代芦屋漁業共同組合長)芦屋の網元として、今、近海で操業している「いかなご」(玉筋魚)の漁と生態および名称を紹介します。

 

   生息域は沖縄をのぞく日本各地、朝鮮半島でも確認されている魚です。しかしながら生態については、不明な点が多くあります。

現時点でも水産省調査では産卵期は12月~5月くらいまでとされ、北へ行くほど遅くなります。本州では12~1月冬に産卵します。

   孵化した稚魚は成長が早く、一年で813cmに成長します。3、4年で「めろうどサイズ」である20センチを超える生態も確認されています。

 

   成長は北へ行くほど大きくなります。主にプランクトンを摂取しています。

   鱗がなく、低水温に適応しており水温が高くなると砂にもぐり込み夏眠することが確認されており、産卵場所もこの砂地ではないかと思われます。

 

 さて、呼び名は日本全国で異なります。関東、愛知県では「こおなご(小女子)」、大阪では「かますご(梭子魚子)」

   当地、兵庫県では「いかなご」。九州、四国の一部では「かなぎ」。 

 京都、大阪では小さなイカナゴのちりめんを「かなぎ(かなぎちりめん)」と呼ばれています。


 関西地方の兵庫などでは生まれたばかりのものを「新子」もしくは「こな」と呼び

西播磨、淡路島では成長したものを「古せ」と呼ぶ場所もあります。

   大型の20センチ前後になると宮城県、岩手県では「めろど」、「めろうど」、「めろーど」。


  北海道では「おおなご」が呼び名となっています。

  兵庫県漁連の資料によると、大阪湾沿岸、阪神間では、「いかなご」の成魚の呼び方を「かますご」、稚魚を「しんこ」と呼び、各市場へ出荷されていましたが、形が「かます」に似ているからと一般消費者が「かますの稚魚」、京都の「かなぎ」など解りにくいと言われることがあったので、統一の呼び名としてすべてを「いかなご」としています。

 

   「きびなご」とはインド洋でも生息する魚ですので、種類が異なるのですが一部の地域では同じ「いかなご」の成魚も「きびなご」と呼ぶ所もあります。


 大阪湾近海では、いかなごの成長は他と地域と比較すると小さく、最盛期でも8cm程度になると生態保護のために時期的に禁漁としています。

 

 また、産卵場所が砂地であることからこの地域での「いかなご」は基本的に播磨から広島までの砂地で孵化し、回遊しているものではないかと思われます。

 

  近年「いかなごの釘煮」が全国的に有名になり、現在では、全国でも呼び方は「いかなご」が定着してきました。

 

  瀬戸内海の「いかなご」は年々漁獲量が減少しておりますが、これは乱獲ではなく、産卵する砂地の減少や水質が改善され、逆に住みにくい環境になった?などが原因だと言われています。

 

  しかし、昔はイカナゴ漁は阪神、播州や淡路島では盛んでしたが、近年では全国区になりシーズン中は近海では漁船団がひしめき合う状態になりました。


  芦屋浜では、昭和40年代前半まで浜売りと言って新鮮なイカナゴを漁師さんが直接、消費者の皆さんに売っていた時代がありました。

 籠に溢れるイカナゴを自宅へ持って帰っていく姿も懐かしい風景。

 

漁師さんたちは、この伝統を守りたいと考えています。


https://youtu.be/hGn6c1hCCmc