「君に捧げるエンブレム」2再放送とDVD化を!(その2)
未希も必死だった、、、。
そして、障害者申請を勧められる。「手帳・・・障害者か・・・障害者手帳・・」
これは自分が普通でない証明でもあるのだから・・・私もそんな物は不要だと当初は拒否した。
1級の重度障害者になるなんて、未希(長沢まさみ )はいう「彼はサッカー選手。あなたの脚とは違うの」と車椅子の市役所職員に言ってしまう。
ハッと気が付く未希・・
その人は「いいんですよ。他人にしか言えないことがあるでしょう・・」
障害者手帳の交付には私自身も市役所へは行かなかったのです。
いや、行けなかったというべきでしょう。
その手帳を手にするということは、それは自らを障害者として受け入れることから始まるのですから・・・。
ドラマでは和也(櫻井翔)が床から車椅子に乗る「床トランス」を1週間で出来るようにしてしまう。
床トランス(通称床トラ)は脊損障害の皆さんのトレーニングの目標になります。
櫻井翔さんの演技は実に自然体で、車椅子生活をよく理解して演じておられました。
このあたりから、私はこの作品が単なるドラマとは思えなくなっていきました。
私が絶対的な支持をする理由がたくさんあるからです。
彼はこれまでの車椅子を描いた作品と違ったものを見せてくれるに違いない。
そう感じて、ドラマを観ていました。
和也と未希の結婚を両親に認めてもらうホテルのロビーだった。
その姿を週刊誌の記者が写真撮影しようとする。
それを静止する男性がいう。
「人の不幸がそんな面白いかね・・・」
その紳士の正義感は立派です。
そう周りの人はそう感じるだろう。
しかし、この言葉が実に辛い「不幸」の2文字だ。
でも「車椅子の人は不幸だ・・可哀想だ」というものだ。これは車椅子になった人なら多かれ少なかれ誰もが経験することなのです。
「車いす=不幸」ではない・・・それは不便なだけなのだ。
そう言っても強がりにしか見えないだろう。
これもみんな経験するものだというが、「走り回っている自分の姿」を何度夢に見たことだろうか?
私は今でも野球やラグビー、テニスをやっていた時に戻りたいと願うことがある。
その姿には車椅子はない。
叶わぬ夢と分かっていても、以前はそんな夢ばかりを見ていた。
「俺なぁ。立ち飲み屋で座って飲めるメリットがあるし、映画も立ち見席は皆無だよ」
その逆をやりたくて仕方がないのに、そう言ってしまう。
つづく