あしや温故知新VOL194 村上春樹さん!No1
村上春樹さんは、
シーサイドタウン芦屋浜が姿形もなかった時代に芦屋市立精道中学に通っていました。
村上春樹の「羊をめぐる冒険」には、美しいこの海岸線と砂浜が失われたあとの空虚な感覚が、的確に描かれていると言われています。
白砂青松の芦屋浜が無くなり、シーサイドタウン芦屋浜が出来た時、
「山を崩して家を建て、その土を海まで運んで埋めたて、そこにまた家を建てたんだ。そういうのを立派なことだと考えている連中がまだいるんだ」
と無念な感情を書いています。
「しかし僕にいったい何を言うことができるだろう?ここでは既に新しいルールの新しいゲームが始まっているのだ。誰にもそれを止めることなんてできない。」
村上春樹氏はシーサイドタウン芦屋浜を否定しているのではなく、当時の白砂青松の浜を懐かしんでいる芦屋っ子の当然の反応だったと考えます。芦屋浜が好きだったのですね。
村上春樹さん、1949年1月12日 京都市伏見区生まれ。
父千秋が甲陽学院中学校の教師として赴任し、兵庫県西宮市の夙川に転居。また両親ともに国語教師であり、本好きの親の影響を受けました。西宮市立浜脇小学校入学後、西宮市立香櫨園小学校に転校し卒業。
中学校は昭和36年1961年4月 芦屋市立精道中学校入学、芦屋市打出西蔵町に転居されています。
兵庫県立神戸高等学校に進学。両親が日本文学について話すのにうんざりし、欧米翻訳文学に傾倒しています。神戸高校では新聞委員会に所属しています。
1年の浪人生活ののち、1968年に早稲田大学第一文学部に入学、映画演劇科へ。
続く
【参考文献】
芦屋市史 昭和31年 本編
芦屋市史 昭和46年 本編
芦屋郷土誌 細川道草 昭和38年
芦屋の里 島 之夫 昭和4年