パラリンピックの原点は


 1948年にロンドンでオリンピックの開会式がおこなわれたのと同じ日に、イギリスのストーク・マンデビル病院にて、第二次世界大戦で負傷した兵士たちのリハビリとして開催された競技大会が起源だとされています。


 つまり、パラリンピックの原点は、戦争で負傷した兵士たちの社会復帰を進めるためのリハビリで、その目的は「福祉」でした。

 

 しかし、IPCは、スポーツを通じて障がいのある人にとってよりよい共生社会を実現することを理念となり、「勇気(負の感情に向き合い、克服しようとする精神力)」、「強い意志(難題に対し諦めることなく己の限界を突破しようとする力)」、「インスピレーション(心を揺さぶり、駆り立てる力)」、「公平(多様性を認める力)」の4つの価値を重視するようになりました。


 オリンピックと同様に、パラリンピックもまた障がい者スポーツの最高峰とみなされるようになり、福祉的な側面よりも競技的な側面に注目が集まるようになっていきました。


 日本でも、福祉の観点から長らく厚生労働省の管轄下にありましたが、2014年からはスポーツ振興の観点から文部科学省へ移管されています。


 1988年のソウル大会以降はオリンピックと同一の開催地となったことから、パラリンピックへの注目度格段と上がりました。


 障がい者スポーツへの認知度向上などの成果があった反面、オリンピックと同様にメダルを獲得できるかどうかに関心が集まることから、ドーピングや競技用車椅子などの高額化、障がい者を装った健常者の出場などの問題点も指摘されているのが現状です。


 私は車椅子スポーツをやっていますが、

リオパラリンピックでは、技術革新がさらに加速され、パラリンピック仕様の競技用車椅子が目立って来ました。


 おそらく、東京パラリンピックはびっくりするような特別仕様のオンパレードだと想像します。


 写真は軽量カーボン製やBMW製やホンダ製。世界の車椅子メーカーに自動車メーカー。


誰もが簡単に手に入れるような、時代ではもうないのかも知れない。