あしや温故知新VOL142 三条八幡神社

 

 三条八幡神社は、兵庫県芦屋市三条町にある神社で、八幡皇大神・大山積大神・市杵島姫神をご祭神としています。例祭は1015に行われています。

 

 創建は元禄5年(1692年)の寺社改帳に、何百年も以前から村中廻持ちの支配であったと記されています。旧三条村の古くからの氏神は、本庄9か村の氏神である森村の稲荷大明神でしたが、江戸時代には三条村の精神上の指導的役割を果たしていました。


 明治6年(1873年)8月に村社に加列。明治40年(1907年)831日、山神社(字西畑)・厳島神社(字塚穴之場)を合祀し、同年9月に本殿・拝殿を改築、石鳥居などを新造しています。本殿は瓦葺切妻造りです。

 昭和178月、社務所を新築。神社には数百年を経た巨松三本がありましたが、昭和16年(1941年)頃残念ながら枯死しています。

 

 境内にある手水鉢は徳川大坂城東六甲採石場に関連するもので、側面には日向佐土原藩(宮崎県)藩主の島津忠興が用いたとされる刻印が彫られています。

 手水鉢上部には盃状穴と呼ばれる民間信仰による人工的な窪みが多数現存しています。 

 

 境内には西山町の塩通山法恩寺跡(元栃木氏邸内)にあった国の指定天然記念物(昭和9年指定)「六甲クロガネモチ」〈昭和33年枯死〉の石標が移設され、同地にあったモチの孫木も植樹されています。

 

 三条町161番地にあった境界石標「従是東尼崎領・西尼崎領 他領入組」が境内に移設された。現地には解説板が建てられています。


 阪急芦屋川駅から西へ歩いて8分程度でこの八幡神社があります。山手サンモールという商店街通りには「芦屋廃寺址」の碑もあります。

 

 さて、拝殿の真後ろに一願社があります。一願社には鬼瓦は必見ものです。


 その左側に摂末社の稲荷社・春日社と稲荷社は「商売繁盛・衣食住」にご利益あります。その稲荷社の右側に細長い道があるのですが、その先に地神司が祀られています。

また、三条八幡神社の山ノ神や大日社もあります。


 とにかく末社が多数ある神社です。これが芦屋市域にある三条村が如何に古く、歴史があり地域に人々から信仰されていたかが分かります。


 年頭祭 13、どんと焼き115、秋季例祭1015が開催され、地域には三条だんじりもあります。

 

 三条村からの歴史を静かに見守る三条八幡神社なのです。



【参考文献】

芦屋市史 昭和46年版

芦屋市史 昭和31年版 本編

芦屋郷土誌 細川道草

精道村のあゆみ 芦屋市教育委員会

芦屋の地名を探る 文化振興財団

芦屋の里 島 之夫昭和4

あしやの地名をさぐる 芦屋市文化振興財団