櫻井翔主演「君に捧げるエンブレム」その3(最終回)

 

「あらすじ」

 和也(櫻井翔)は必死でバスケに取り組むが、その強引なプレースタイルは逆に監督から退団を求められてしまう。


「それぞれの環境が違う。楽しみでバスケやっている者もいる」


 和也にはそれが理解できなかった。それは和也が元Jリーガーのプロサッカー選手の栄光が邪魔をしてしまうのです。


 ある日、トレーニング中

「生まれつきの障害だから挫折は元々ない」ライバルチームの得点王神村(安藤政信)が言う。


 途中障害者はハッ!とするはずの台詞だった。

「お前、過去の輝かし栄光を取り戻したいだけだろう・・」神村錬

「でも、取り戻したいんです。そう思っちゃだめですか・・」和也

「いいと思うよ!でも、それお前一人でやれよ・・」神村錬

 和也はハッとする。

 そして2度目の挫折をする。

「俺が一番邪魔な存在だった・・・・」和也

 

 しかし中学生の頃から和也一筋に追っかけた雑誌記者に「お前、馬鹿か・・・俺の人生返してくれ、サッカーがダメになったら。今度は車椅子バスケ?同じように輝やいていやがる・・いいじゃないか今更、可哀想がられていい子ぶってんじゃねぇ」と一喝する。


 これも解る。

 私も同じだった。医師から車椅子生活を勧められた時に「命があるんじゃないか。たかが車椅子だろ。贅沢言うなよ」そう言われたのは、不治の病に向き合っている病院仲間だった。            

 

 私はそれ以来車椅子生活を楽しむようになったのです。

 このドラマは単なる外から見た車椅子アスリートの話ではないのです。そのひとつひとつの映像や台詞、演じている役者さんたちが真摯に車椅子生活に向き合っている作品であるように思う。


 エレベーターが点検中、階段を家族で登る和也(櫻井翔さん)この階段上りも櫻井翔さんの役者魂、自然と脚を使ってしまう所ですが、全く上腕の力だけなのだ。それは映像からも解る「普通の家族が5分で行けるところを俺は‪2時間かかる・・でも家族の力を合わせれば遠回りしても苦しい思いをさせても俺は必ず乗り越える。そして幸せにする。だから信じて俺の動かない脚を持っててくれないか?」


「ハイ」と頷くミキ!

 これがこの作品のエンブレムだろう。


 エンディングに日本代表の車椅子バスケットチームに日本代表のユニホームを着てコートに立っている。

 

「お前の力で日本代表になったのか? 問われたら、違う・・自分の力で掴んだものではない・・・・だからこそ俺はこのエンブレムが好きだ・・・」

 

 この作品を通じて何度も腰を上げて座り直す。褥瘡を少なくするやり方ですが、車椅子を使っている者しか解らない細かい動作を演じた桜井翔さん。

 

 ハンドリングもリムの握り方や漕ぎ出しの力の入れ方。どれもこれもよく演じてくれた。


 電車の乗り降りには後ろ向きに降りることは基本で、私が忘れていたことを思い出させてくれた。


櫻井翔さん!ありがとう!


終わりに!


「君に捧げるエンブレム」DVDに残して欲しい名作なのです。


 新春のドラマでしたから、視聴率が8.4%だったらしい。


 この作品に寄せられたコメントを見ると櫻井翔さんを批判する内容もあった。


「わかっていないなぁ」と素朴に思う。


 「このドラマの本質を理解されない人の批判は無視だ!」


 そんな想いの私にとってはこの作品は、君に捧げる応援歌というタイトルに代わる。


おわり


追伸

たくさんの方々に読んでいただき感謝の言葉もありません。

ありがとうございました。