エスカレーターの常識を変えるか?


東京なら右側、大阪なら左側――。エスカレーターで、「歩く人」のために片側を空けておく光景が当たり前になっています。でも、空いている側に「立つ必要がある人」もいることは、あまり知られていません。歩行中の事故も後を絶たず、片側歩行という常識を見直そうとする動きも出ています。


「右側にしか立てない」

 埼玉県の40代女性は毎朝の通勤の際、駅のエスカレーターの前に立つと、いったん立ち止まる。

 タイミングを見計らい、まず右手で手すりをつかんでから、右足をエスカレーターに乗せる。そのまま、首都圏では「歩く人のために空けておくのが当然」と思われていることも多い右側に、立ったまま乗っていく。

 女性は10年ほど前、脊髄(せきずい)にできた腫瘍(しゅよう)の摘出をした後、胸から下にマヒが残った。リハビリを続けているが、今も両手に歩行補助の杖がないと歩くのが難しい。主に左手の杖に体重をかけるため、エスカレーターの乗り降りの際、杖から手を離して使えるのは右手だけ。だから、どうしても右側に立つ必要がある。


2019.2.14朝日新聞デジタル版より


 身体の麻痺などの事情でどうしても左右特定の位置にしか立てない人のための物です。

 色んな障害をサインで表すヘルプマークもだいぶ普及しつつあります。


 わけあってこちら側で止まっています。


 これを見たら、その方がエスカレーターを無事に降りるまで、待ってあげて下さい。