あしや温故知新VOL51 阪神電車の打出駅
「金津山の伝説」の他にもう一つ打出にはある伝説があります。
それは・・・・
明治38年(1905年)に芦屋市内に駅(停留所)を作った最初の鉄道。阪神電車です。
打出小槌町に隣接する駅なのですが、普通電車しか停車しません。
しかし、この駅にはとんでもない秘密が隠されています。
打出駅のプラットフォームそのものは開業当時のものが長く使われている希少な石組みで出来ているのです。
長く使われているこのホームは現在でも見ることができます。
よく見ると画中央付近で積み方が違っています。
同じ石垣のホームですが石の形が違います。
こちらがホームの石垣の境目です。左側が丸型の石を組み合わせた石垣ですが、右側は四角形に成形された石の組み合わせからなる石垣になっております。
なぜこんな石垣の違いが生まれたのか?それは左側の石垣が阪神電車創業時1905年(明治38年)に作られた打出駅のホームの石垣であり、右側の石垣はその後ホームの延長の際に作られたホームの石垣になるのです。駅舎が継ぎ足されたということです。
阪神打出駅は107年前から人々を運んでいたという証明がこの石垣に秘められております。
阪神電鉄は路線のそれぞれの地域の利便性を考慮して1905年開業時から神戸と大阪の間に32の途中駅を設けたそうです。
当時のJRは神戸大阪間の途中駅は3駅のみだったというから、この数字は驚きです。
甲子園球場もそうですが阪神電車はできるだけ古いものを残して使っております。何気ないただの駅のホームにも100年の歴史が刻まれていたのです。
「打出小槌の伝説」のこの地にはもう一つ語り継がれなければならないことはこの打出駅のことだったのです。