「クリスマス・キャロル」 

(ディケンズ/中川敏訳/新潮文庫)


 「クリスマス・キャロル」は、クリスマスの夜に、ケチで頑固な男のもとに精霊が現れる物語です。


   過去・現在・未来の自分のみじめな姿を見せられた男は、心を入れ替えて、慈悲と寛容のキリスト教の精神を持つようになりました。


   外国では、毎年クリスマスシーズンになると映画や演劇、ラジオドラマ、飾り窓など、ありとあらゆる手段で「クリスマス・キャロル」が繰り返される「永遠の名作」です。

 

   また、この作品は、とても読みやすいので愛読書として長く親しまれています。クリスマスの精霊に導かれて、意固地な男が3夜に渡り、過去、現在、未来の自分の惨めな姿を客観的に見せられるというストーリーも興味深くて、説得力があります。


 「クリスマス・キャロル」をとおして作家が伝えたかったことは、キリスト教の精神を持って生きよということです。


 過去、現在、未来にキリスト教を生活基盤の中で生きている人間にとっては、当たり前の反応かもしれませんが、もちろん、物語の中心にあるものが、隣人を愛しなさいと言っているは人間のもつ心のことです。


   宗教を越えた真理であって隣人を愛することによって心が慈悲と寛容になれる。


 とても素敵な名作だと思います。


  Merry Christmas