『田原坂』は、19871230日、1231に日本テレビ年末時代劇スペシャルの第3作。西郷隆盛の半生を描いた作品です。

西郷隆盛、里見浩太朗主演。


  勝海舟役で萬屋錦之介が特別出演しています。

 

前後編あわせて本編時間は530分の超大作で「年末時代劇スペシャル」の中でも最長となった。

 

現在、NHK大河ドラマ「西郷どん」が放映されていますが、実は一部がかなりのフィクション時代考証が?と私は思っています。


  ですが、この「田原坂」はしっかり作られたものですので是非、観ていただきたい。


前編「英雄野に下る」

藩主、島津斉彬の死後、安政の大獄によって西郷隆盛が奄美大島へ流島、その後、赦免されて薩摩に戻ったものの、島津久光からの逆鱗に触れ、徳之島から沖永良部島に流された後、再び赦免されて藩政の中心に復帰する。


  戊辰戦争での活躍を経て、明治新政府の参議、陸軍大将となりながらも、明治六年の政変で鹿児島に戻ってしまう。


「西郷は危険だ」「英雄ではあるが不平を持つ士族にため立ち上がるのではないか」そんな疑心暗鬼が政府内に溢れてしまった。


  盟友の大久保利通ともすれ違いが多くなってしまう。


  後編「桜島は死せず」

鹿児島に帰った西郷は士族の教育のために設立した私学校が問題になり、政府は西郷を恐れ、追いつめてしまう。そして、珍しく鹿児島で雪が降る中23,000に薩摩軍は西南戦争に突入する。


  田原坂の戦いをはじめとする九州各地での戦いで政府軍に敗れた西郷が、故郷・鹿児島の城山で切腹するまでを描いている。史実は各地からの西郷隆盛の支援として参戦する部隊を合わせると約3万人の陸軍になったと言われる。


西郷従道は隆盛軍を撃破する軍に属していたため、「もう鹿児島には戻れない・・・」と無常の戦に閉口してしまう。そして西郷軍は敗戦し隆盛は戦死・・・・。


  その後、大久保利通は、東京・紀尾井坂で不平士族らに暗殺される。


「所詮、わしらは時代に捨てられていくのか…」とつぶやくがこの作品のテーマがここにあります。


  ラストシーンは名誉を回復した西郷の銅像が東京・上野公園に建立され、その除幕式が行なわれた。しかし、西郷イトは、あまりの滑稽な銅像に「こげん人じゃなかよ―――」と…。

周りを困らせた。という逸話も紹介されています。

 

「雨は降る降る人馬は濡れる、越すに越されぬ田原坂」

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収録330