伊藤朱子(あやこ)さん、来訪!

朝の6時半に一階ロビーのレストランに降りていくと、あら、伊藤朱子さん。
伊藤さんは、文部科学省の職員。
2020オリパラ組織委員会に出向し、組織委からローザンヌのIOCに派遣されている職員。
「よく来たね」
「年休取って来ました」
「何時までいるの?」
「午後の電車で帰ります」
「えー」
じゃ、何しに来たんだよ?」
「朝の散歩に来ました」
というわけで、軽く朝食後、近くの自然公園まで散歩へ。
オーストリッツ駅を過ぎてすぐだから、松浪先生の言う30分もかからなかったが、中に入ってびっくり。
まさしく大都会のオアシス。
ジョギングや散歩の市民で賑わっていました。
伊藤さんのIOCでの仕事は何でも屋だそうで、
「とても勉強になります」
と。
「2020までの大切なネットワーク作りなんだし、いちはやい情報共有や、トラブル回避のための人事なんだから、頑張ってね」
と、激励。
福田富昭会長、高田裕司専務理事、松浪健四郎理事長、菅芳松事務局長など、レスリング協会幹部も紹介し、また世界選手権会場も視察してもらう。
あっという間の滞在で十分なおもてなしもできなかったけど、伊藤さん、ローザンヌで花開いてください。
期待しています。


奧野春菜完璧金メダル!

奧野さんの試合をじっくりと見るのは初めて。
初戦こそぎこちなかったけど、2回戦以降は危なげない勝ち上がり。
タックルが切れているし、組み手とフェイントもコンビネーションが取れている。相手がついてこれていない。

素晴らしかったのは決勝戦。
ナイジェリアの選手は、いかにもアフリカ体力系の、手足の長い、粘り強いタイプ。
ところが、距離を詰めてのフェイントや組手。
サイドについての片足タックル。
タックルからテイクダウンの処理の速さ。
体重移動のスムーズさなどなど、見事なまでに
「このタイプにはこう攻めるしかない」
お手本のような試合。
それも、初出場の世界選手権大会決勝戦で出し切れるところが、見事。まだ18歳。
末恐ろしい選手のデビュー。
お見事。


コーツさん33年振り再会!

日本レスリング協会の友人、白井正良さんのご紹介でお会いしたのが、ドラマー社(世界的なレスリングマットやトレーニング機器販売会社)のケビン社長と、重役のコーツさん。
このコーツさん、実は33年振りの再会。
33年前、1984年のロサンゼルス五輪で、23歳の馳浩が闘ったフランス代表こそが、このコーツさん。
お互い覚えていた。
いきなりハグの代わりにもろ差しの取り合いをするところがまた、レスリング馬鹿の誇り。
いや〜、コーツさん、もう60歳ですかぁ。
お互いに年取るわけだ。
でも、こうしてお会いできるとは、奇跡に近いものがあります。
だって、33年前は、試合の後はとりわけ立ち話も何もしてないままなんだから。
(ちなみに試合結果は、0-9で馳の完敗、コーツさんの圧勝だったけど)
「お互いこうしてレスリングに関わっていれば、間違いなくまだ世界のどこかで会うことができる。」
「その時は、酒でも飲みながら」と、約束。
本当に、嬉しい再会。



鈴木ひろえ悲願の銅メダル
敗者復活戦を勝ち上がって、3位決定戦へ。
我慢に我慢を重ねての、銅メダル。
第2ピリオドに見事な4点タックルが決まった時は、観客席の日本人応援団ばかりでなく、観客の誰もが大きな歓声を上げたほどの見事さ。
身長の低さ、体格の小ささなどなど、ハンデを挙げればきりがないけれど、地道な努力でここまでたどり着いたことが素晴らしい。
所属するクリナップの今村監督も、感慨深げでありました。
おめでとうございます㊗️


川井友香子ベスト8敗退
姉妹で比較されるのは致し方ないところ。時にはマスコミのカッコウのネタ、餌食になったりして、取材される当人からすればイライラすることも多かっただろう。
人は誰かと比べられることは、良い気はしない。ましてや肉親。
と、思って見ていたら、世界選手権のデビュー戦は見事なまでの圧勝。
技の引き出しの多さも見事だが、何よりも畳み掛ける気の強さが気に入った。
小学生の頃からもう、10年余り見て来ているが、こんなに強かったっけ?とびっくり。
こりゃ、初出場の初優勝も夢ではないかもと期待したが、2回戦で落とし穴にはまった。
距離感やフェイントや組み手が中途半端で、簡単に、先に片足を取らせてしまったのが最初のミス。ゆかこのバランスも悪く、腰が浮いていた。
本来ならば小手に取って下に落として顔を遠ざけると言う基本的な処理をして、スタンドを待つと言う基本的な動作をすべきところ、一回戦のトーホールドの成功が頭をよぎったのか、股の間から手を入れて抱え込んでしまい、相手と密着してしまった(@_@)
まずい!
と思った次の瞬間、これまたセオリー通りに股の間に入れた手を巻き込まれてしまい、ゴロンと転がってゆかこは下敷き。
体力差は如何ともしがたく、そのままべったりフォール負け。
なるべくしてこうなってしまったと言う、典型的なミスの連鎖のフォール負け。
ついつい心の中で(だらぶち)と呟いてしまったが、本人もそのことは理解しているだろう(おそらく)
相手のコロンビアの選手はベテランで、両膝も怪我していて動きが硬いため、ゆかこが勝つとしたら、戦略通りに展開しなければならなかったはず。
「第2ピリオドにスタミナ戦に持ち込んで、残り30秒、動きが鈍ったところをタックルで仕留める」
と言う作戦だった、はず。
ゆかこの致命的な欠点は、体力不足とキャリア不足。
なんせ、他の外国人選手とは肩周りも腰回りも太ももも含め、ふた回りもさん回りもゆかこが小さい。
だからこそ、スピードとスタミナ勝負のはず。
・片足を先に取らせたこと
・片足切りの処理ができなかったこと
・中途半端にトーホールドを狙ったこと
・思い切りが悪かったこと
全て、単なるミス。
しかし、単なる初歩的なミスが、取り返しのつかないフォール負けにつながり、今までの努力が水泡に帰してしまう。
ゆかこは、先ずは体力作りとパワーアップ。
それも、動けるでかい体作り。
言っちゃ悪いが、オトコのカラダにななるべきだ。
もっと厚みのある筋肉をつけることと、インタバル坂道ダッシュやジャンプや縄跳びを徹底してやる事だ。
そして、食事、栄養補給だな。
12月の全日本選手権大会まで、どこまで厳しく自分を追い込むか、だ。
栄監督、しごいてください。



マロウリス(米国)金メダル
吉田さほりに勝って、悲願の五輪王者になったマロウリス。
今回は階級を上げて58キロ級。
盤石の強さ。
失点なし。
女子レスリング界の顔は、吉田さほり、伊調馨から、このマロウリスに移ったと印象付ける圧勝。
心身のコンディショニングも素晴らしいが、マット上でのマナーも素晴らしい。
このマロウリスと川井梨紗子の頂上対決を、見て見たい。
パワー、技術、戦術のぶつかり合いで、まさしく世界一の女子レスラーを決める戦いになりそうな予感がした。
この2人のオーラ、別格。


21時30分、夕方、メルキュールホテルそばのカフェでフィッシュ&チップスを、たらふくいただいたので、晩ご飯は自粛して、バタンキュー(死語)