日経新聞に、下村大臣の寄稿。

中教審答申の、高大接続改革の狙いについて。

一般の読者には、この問題には誤解もあろうかと思われるので、経緯も含めて、また課題も整理して記しておきたい。

テーマは4つある。

① 各大学の個別選抜改革

② 大学入学学力評価テストと、高校基礎学力テストの制度設計

③ 高校教育のあり方

③ 大学教育のあり方

なぜこうした大きな議論となったのかのポイントは、民主党政権にさかのぼる。

与党民主党は、中教審の審議も踏まえずに、「高校授業料無償化」をマニュフェストに打ち出し、政権交代の果実として、半ば強引にその政策を実施に移した。

自民党野党時代の文教三羽烏?の下村大臣、松野博一さん、そして不肖馳浩が、法案審議の過程で挑んだ論戦の軸が、

「無償化の意義は否定しない。でも、意欲と能力のある高校生のための質向上あってこそではないか?」

「そもそも高校教育の内容充実の議論が先。無償化だけを一人歩きさせるのは、義務教育ではない高校教育の本質論から外れている!」

だった。

と同時に、大学受験のあり方そのものを議論しなければ、結局は教育論ではなく、受験戦争の問題解答テクニック論になってしまう、と主張した。

「何のために学ぶのか?」

だ。

「民主党から政権奪還したら、教育再生の大方針として、受験そのものの在り方を見直そう。同時に、あるべき大学教育と、高校教育についても指針を示そう!」

と意気込んでいた自民党文教族。


大学受験が、高校教育の目的化し、現場を支配しているのは、認めたくはないが、厳然たる事実。

じゃあ、受験テクニックを磨くだけでいいのか?

それは、違うはずだ。

受験勉強だけで、このグローバル社会の日本人としての教養が身につくのか?

与えられた問題集を解くだけの勉強が本当の学問なのか?

それも違うはずだ。

・ やっぱり、課題解決能力を磨かなきゃ!

・ 自ら進んで課題を見つけ、立ち向かう意欲と、広範に意見を収集する情報取集力と、調整力と、そして、方向性を決める決断力と。

その根拠となる学習能力を磨きあげることが必要ではないか。

そして、大学ではより専門的な領域の学問を習得すべきではないか!

そこに独創性や、コミュニケーション能力が必要ではないか!

そこに、人としての道義や、優しさや包容力が必要ではないか!

・・・とまぁ、こういう論陣を張って、民主党政権の大臣を追求していたものだ。

あれから5年。

安倍政権となって、いよいよ本格的に動き出した高校と大学の接続・連携。

中教審でもんでいただいた答申を受けて、さっそく改革スケジュールを作り、文部科学省内に4つの作業部会(PT)ができた。

でも。

ここで一呼吸、しておかなきゃいかんのじゃないか?という意見が、自民党内にはある。

具体的に言えば、

「制度論を具現化していくと、究極のところ、高校生がテスト漬けになるのではないか?」

「高校の先生も、制度論に振り回されて、日常の教育課程を消化できなくなるのではないか?」

「教育現場が文部科学省ばかり見ていて、自らの授業力が磨けなくなるのではないか?」

「すでに偏差値や教育方針で多様性のある高校に在籍する生徒の学力を、国が一律に測ることに意味があるのか?」

という不安だ。

教師仲間とざっくばらんにこの週末も意見交換したが、みな口をそろえて不安視していた。

改革工程は、時には「慎重論」も含みながら進めていくべきだろう。

朝一番の飛行機で上京。

北陸新幹線が開通すれば、小松空港に来るのも、あと一か月かぁ・・・

と思うと、むしょうに「白エビかき揚げそば」を食べたくなり、待合室の売店で、朝の一杯。

これ、美味いんだよなぁぁぁ。

9時には快晴の羽田空港に到着し、福田ドライバーのお迎えで、自民党本部へ。

執務。

12時半、院内15控室にて、臨時総務会。

地方税法改正案、了承。

午後1時、本会議代表質問。

民主党代表の岡田さん、気合満点ではあったが、空回り。

ほぼ想定内の質問。

「政権交代可能な政党の必要性」

という前に、そもそも国家論を語るべきではないでしょうか。

自民党や公明党の悪口を言う前に、自分たちが目指す共生社会の具体性を、財源論とともに示したほうが、わかりやすいのですが・・・・

アベノミクスは先ずは「稼ぐ力」を支えます。

そして、デフレ脱却や経済成長の果実(税収等)を、財政健全化や社会保障充実の財源とするという、方向性を示しています。

その対立軸を示すよりも、ほかにやることがあるのでは?

午後5時、役員会。

6時半、NTT関係者、2020組織委員会関係者と北陸会懇親会。

そういえば、NTTさんは、オフィシャルスポンサー第1号でしたよね?

午後9時半、お開き。