午前6時前に、リオデジャネイロ空港到着。
領事館の職員さんにお出迎えをいただく。
防弾ガラス付きの専用車で、ホテル「ソフィテル」へ。
「どうして防弾車なんですか?」
「それだけ治安が悪いんです。こないだも、柔道の日本選手団5名が午後8時過ぎに外出し、強盗に遭いました・・・・」
「ということは、スラム街だ?」
「それだけではありません。犯罪者は、観光客に常に目を向けていますから、いつなんどきでも狙われないように気をつけなければなりません!」
「でも、そんな犯罪が多いのに、2016リオ五輪の開催は大丈夫ですか?」
「・・・・大丈夫なように、インフラ整備とか、治安部隊の配置とか、リオ市当局も州政府もブラジル政府も全力を挙げていますが・・・・・」
と、その問いかけだけには、沈黙が支配する。
空港からホテルのある観光地、コパカバーナへの高速道路周辺は、見るからにスラム街、倉庫群。
「これ、全部取り壊して、地下トンネルにするそうですよ、オリンピックまで!」
「間に合うんですか、3年後ですよ!」
と、全く手つかずの市街地を見るにつけ、五輪開催の不安が募る。
やはり、五輪開催計画と、その実行力とには、ギャップがあるのだろう。
財政力インフラ整備や、五輪のレガシー活用策など。
「ちょうど今日は、IOCの評価委員会が、視察に来ているそうです!」
・・・・
やはり、五輪は治安もよろしく、安全で、確実に開催されるほうが良い。
7時過ぎには、ソフィテルにチェックインし、さっそく時差解消のためにジョギングへ。
運動着に着替え、目の前に広がるコパカバーナの海岸沿いを、走る。
300歩ダッシュ×18本。
片道およそ4.8キロを往復。
さすがに観光地だけあり、ジョギングする人も散歩する人も多いが、でも、ところどころ、パトカーと警察官も配置されている。
犯罪多発地点とか、気をつけねば!
ホテルに戻り、シャワーを浴びて、朝食。
成田空港で買ってきた、サバ棒寿司。
醤油をかけて、いただきまっす!
14時、ホテルを出発し、リオデジャネイロ五輪実行委員会ビルへ。
市街地にあるのだが、途中、リオのカーニバルのストリートを拝見。
テレビで見た、あの両側にスタンドのある、1直線のストリートだ!
リオのカーニバル。
いつだっけ?
約束の3時から4時まで、リオ五輪組織委員会のレオナルド運営局長と、アジェマール渉外部長と懇談。
レオナルドは、挨拶もそこそこに、
「悪い、IOC評価委員とのミーティングが入っちゃった。」
と困った顔で退出。
以降、アジェマ-ルさんと40分にわたり、五輪開催の大変さをディスカッション。
スポンサー、チケット売り上げ、放映料、政府からの支援・・・・
その使い道としての、社会基盤整備、競技場や選手村整備、世界から五輪期間に訪問する4万人弱のかたがたへの宿泊準備・・・
そして、準備をし終え、五輪が終わった後の、それらの使い道の戦略。
五輪前~五輪中~五輪後
そのすべての問いかけに答えなければならない、大変な作業の毎日。
「このビルにいる職員はすべてプロフェッショナルだから、頑張ってやり遂げるつもりだ。」
「でも、市民や国民の理解を得て計画を実行に移していくことがいかに大変か。」
「やはり、路銀開催のコンセプトが一般市民につながらないと、不平や不満は爆発するさ・・・」
と、言外にデモのことや、基盤整備の遅れにため息。
このアジェマールさんの前職は、
・ 外交官
・ 在西ドイツ大使館勤務
・ 在ペルー大使館勤務
・ 在エクアドル大使館勤務
・ エクアドルで国家功労勲章受章
・ 在ギニア共和国大使館で大使。
と、外交に関してはエリート。
渉外部長にうってつけ。
そのアジェマールさんにして、準備の遅れには神経質にならざるを得ない現状。
ミーティング終了後、部屋の外ではテレビにかぶりつきの職員。
ちょうど、フランス対ブラジルの敗者復活戦準決勝。
惜しくも、ブラジル選手が延長戦で敗れるも、その奮闘に、大きな拍手が送られる。
聞けば、ブラジル女子柔道チームのコーチは、日本人。
世界で活躍する日本人指導者。
誇らしい気がする。
試合会場へ30分ほどで移動。
相変わらず大渋滞。
ここで、上村さん、村上さんと合流。
全柔連問題で、会長と事務局長と、もちろん、理事職をも辞任したお二人。
世界連盟の理事職まで辞任した上村さん。
そのお二人ではあるが、東京五輪招致の大きなロビー活動の場である世界柔道の現場になくてはならない人。
そこで、急きょ、おとといの森喜朗招致委員会議長とのミーティングで、
「自民党の招致本部からの依頼ということで、行ってもらえないか!?」
となり、快諾をいただいた次第。
VIP受付でIDカードを受け取り、会場内へ入るや否や・・・・
上村さんと村上さんの周りには、すべての理事や各国の関係者が走ってきて、抱きついて声をかける。
「来ないかと思っていたよ!」
「心配してたぞ!」
「よく来たな!」
「今晩飯食おうよ!」
と、ハグ、ハグ、ハグ・・・・
これが、「ファミリー」のあかし。
お互い学生のころから、そして世界選手権の代表として、ともに合宿や試合で同じ釜の飯を食った時代の仲間。
その仲間同士の友情は、生涯の絆。
今回の全柔連の不祥事の連鎖も、もしかしたら、こういう体質の負の部分かもしれない。
同時に、こういうファミリー同士の絆こそが、いざというときに役に立つ情報源であり、人脈。
人脈は財産。
世界柔道連盟のヴィゼール会長には、6月に自民党本部でお会いしていた。
森喜朗先生を訪問されたときに、同席し、意見交換したことを覚えててくださったようで、
「今回は、森先生からのメッセージも預かってきています。明日にでもミーティングをしましょう!」
と声をかけると、気さくに応じてくださった。
やっぱり、上村さんや村上さんと同行であればこその、交渉事。
これがもし、たった一人で、馳浩だけがこの会場にやってきても、
「やぁやぁ、どうもどうも!」
と、握手だけで終わり。
ヴィゼール会長の指示で、上村さんと村上さんと、そして馳浩までが、役員席の雛壇のど真ん中に座らせていただき、試合観戦。
世界中のカメラマンの放列を浴びながら、観戦。
すると、目ざとく我々を見つけた日本選手団の面々が、挨拶にやってくる。
細川国際委員長は、いっしょにロス五輪代表として出場した先輩。
斉藤仁先輩も、そう。
そして、井上康生監督・・・・
世界中の日本人指導者も次から次へと、主賓隻の上村さんのところへやってくる。
天理大学出身の村上さんは、湊谷弘先生の後輩でもあり、風貌も似ており、フランスでの指導経歴も似ており、理事のみなさんの信頼も厚い。
アフリカやヨーロッパや中南米など、あちこちの理事が集まってきて会話を交わしてる。
なるほど。
森先生が、
「馳君、すぐに二人を連れて世界柔道の会場に行け。全柔連の体制が変わったことの、仁義を切ってこい!ヴィゼール会長に、{宗岡新体制をよろしく}と、上村さんから報告してもらうんだ。それが人の道というものだろう!信頼している上村さんからそう言われれば、ヴィゼールだって理解できるだろう!」
と。
その意味が目の前で、如実に理解できた。
これが、ロビー活動の現実なのだ。
この場にいなかったら、何の情報も入らないし、もちろん、重要な意思決定に影響力を行使もできない。
各競技団体の世界連盟の中に、日本人理事がどれほどいるのか?
今では、レスリングの福田富昭さんぐらいではないか。(世界レスリング連盟の副会長職)。
柔道も、長くて4年、なんとか指名理事としてはいれれば2年後。
その間、世界の意思決定の中に入れなければ情報すら入ってこないわけだ。
だからこそ、ヴィゼール会長と個人的に深く信頼し合っている上村さんと村上さんとの関係性は、なにがしかのつながりとして維持しておかなければならない。
10月には、世界型選手権の大会に、来日されるというヴィゼール会長。
あらゆる場面において、全柔連との関係や、講道館との関係を維持しておかねば、それこそ、柔道発祥の国ある日本の発言力はますます低下してしまう。
そのあと、ヴィゼール会長の隣りに誰がずっと座っているかと思えば、なんと、IOC会長選挙に立候補しているウクライナのブブカ委員。
ここまでやってきて、IOCの委員でもないヴィゼールと親しく語り合うブブカ。
ヴィゼール会長が、いまやスポーツアコードの会長として飛ぶ鳥を落とす勢いであることを理解しての行動でもあろう。
ウクライナのブブカ委員と、ハンガリー在住のヴィゼール会長との友情は、前からわかってはいたが、さすがだ。
9月6日から始まるIOC総会の出席に向けて、この世界柔道にやってくるIOC委員も多い。
とりわけ、リオ五輪の組織委員会の仕事ぶりを評価すべき委員もいる。
今日から三日間、とても大切な最終盤のロビー活動になりそうだ。
午後7時過ぎには、「レアル アストリア」というレストランへ。
海沿いのおしゃれなレストラン。
日系人社会の代表や、日系企業代表の皆さんと、いっしょに晩ごはん。
領事館の職員さんにお出迎えをいただく。
防弾ガラス付きの専用車で、ホテル「ソフィテル」へ。
「どうして防弾車なんですか?」
「それだけ治安が悪いんです。こないだも、柔道の日本選手団5名が午後8時過ぎに外出し、強盗に遭いました・・・・」
「ということは、スラム街だ?」
「それだけではありません。犯罪者は、観光客に常に目を向けていますから、いつなんどきでも狙われないように気をつけなければなりません!」
「でも、そんな犯罪が多いのに、2016リオ五輪の開催は大丈夫ですか?」
「・・・・大丈夫なように、インフラ整備とか、治安部隊の配置とか、リオ市当局も州政府もブラジル政府も全力を挙げていますが・・・・・」
と、その問いかけだけには、沈黙が支配する。
空港からホテルのある観光地、コパカバーナへの高速道路周辺は、見るからにスラム街、倉庫群。
「これ、全部取り壊して、地下トンネルにするそうですよ、オリンピックまで!」
「間に合うんですか、3年後ですよ!」
と、全く手つかずの市街地を見るにつけ、五輪開催の不安が募る。
やはり、五輪開催計画と、その実行力とには、ギャップがあるのだろう。
財政力インフラ整備や、五輪のレガシー活用策など。
「ちょうど今日は、IOCの評価委員会が、視察に来ているそうです!」
・・・・
やはり、五輪は治安もよろしく、安全で、確実に開催されるほうが良い。
7時過ぎには、ソフィテルにチェックインし、さっそく時差解消のためにジョギングへ。
運動着に着替え、目の前に広がるコパカバーナの海岸沿いを、走る。
300歩ダッシュ×18本。
片道およそ4.8キロを往復。
さすがに観光地だけあり、ジョギングする人も散歩する人も多いが、でも、ところどころ、パトカーと警察官も配置されている。
犯罪多発地点とか、気をつけねば!
ホテルに戻り、シャワーを浴びて、朝食。
成田空港で買ってきた、サバ棒寿司。
醤油をかけて、いただきまっす!
14時、ホテルを出発し、リオデジャネイロ五輪実行委員会ビルへ。
市街地にあるのだが、途中、リオのカーニバルのストリートを拝見。
テレビで見た、あの両側にスタンドのある、1直線のストリートだ!
リオのカーニバル。
いつだっけ?
約束の3時から4時まで、リオ五輪組織委員会のレオナルド運営局長と、アジェマール渉外部長と懇談。
レオナルドは、挨拶もそこそこに、
「悪い、IOC評価委員とのミーティングが入っちゃった。」
と困った顔で退出。
以降、アジェマ-ルさんと40分にわたり、五輪開催の大変さをディスカッション。
スポンサー、チケット売り上げ、放映料、政府からの支援・・・・
その使い道としての、社会基盤整備、競技場や選手村整備、世界から五輪期間に訪問する4万人弱のかたがたへの宿泊準備・・・
そして、準備をし終え、五輪が終わった後の、それらの使い道の戦略。
五輪前~五輪中~五輪後
そのすべての問いかけに答えなければならない、大変な作業の毎日。
「このビルにいる職員はすべてプロフェッショナルだから、頑張ってやり遂げるつもりだ。」
「でも、市民や国民の理解を得て計画を実行に移していくことがいかに大変か。」
「やはり、路銀開催のコンセプトが一般市民につながらないと、不平や不満は爆発するさ・・・」
と、言外にデモのことや、基盤整備の遅れにため息。
このアジェマールさんの前職は、
・ 外交官
・ 在西ドイツ大使館勤務
・ 在ペルー大使館勤務
・ 在エクアドル大使館勤務
・ エクアドルで国家功労勲章受章
・ 在ギニア共和国大使館で大使。
と、外交に関してはエリート。
渉外部長にうってつけ。
そのアジェマールさんにして、準備の遅れには神経質にならざるを得ない現状。
ミーティング終了後、部屋の外ではテレビにかぶりつきの職員。
ちょうど、フランス対ブラジルの敗者復活戦準決勝。
惜しくも、ブラジル選手が延長戦で敗れるも、その奮闘に、大きな拍手が送られる。
聞けば、ブラジル女子柔道チームのコーチは、日本人。
世界で活躍する日本人指導者。
誇らしい気がする。
試合会場へ30分ほどで移動。
相変わらず大渋滞。
ここで、上村さん、村上さんと合流。
全柔連問題で、会長と事務局長と、もちろん、理事職をも辞任したお二人。
世界連盟の理事職まで辞任した上村さん。
そのお二人ではあるが、東京五輪招致の大きなロビー活動の場である世界柔道の現場になくてはならない人。
そこで、急きょ、おとといの森喜朗招致委員会議長とのミーティングで、
「自民党の招致本部からの依頼ということで、行ってもらえないか!?」
となり、快諾をいただいた次第。
VIP受付でIDカードを受け取り、会場内へ入るや否や・・・・
上村さんと村上さんの周りには、すべての理事や各国の関係者が走ってきて、抱きついて声をかける。
「来ないかと思っていたよ!」
「心配してたぞ!」
「よく来たな!」
「今晩飯食おうよ!」
と、ハグ、ハグ、ハグ・・・・
これが、「ファミリー」のあかし。
お互い学生のころから、そして世界選手権の代表として、ともに合宿や試合で同じ釜の飯を食った時代の仲間。
その仲間同士の友情は、生涯の絆。
今回の全柔連の不祥事の連鎖も、もしかしたら、こういう体質の負の部分かもしれない。
同時に、こういうファミリー同士の絆こそが、いざというときに役に立つ情報源であり、人脈。
人脈は財産。
世界柔道連盟のヴィゼール会長には、6月に自民党本部でお会いしていた。
森喜朗先生を訪問されたときに、同席し、意見交換したことを覚えててくださったようで、
「今回は、森先生からのメッセージも預かってきています。明日にでもミーティングをしましょう!」
と声をかけると、気さくに応じてくださった。
やっぱり、上村さんや村上さんと同行であればこその、交渉事。
これがもし、たった一人で、馳浩だけがこの会場にやってきても、
「やぁやぁ、どうもどうも!」
と、握手だけで終わり。
ヴィゼール会長の指示で、上村さんと村上さんと、そして馳浩までが、役員席の雛壇のど真ん中に座らせていただき、試合観戦。
世界中のカメラマンの放列を浴びながら、観戦。
すると、目ざとく我々を見つけた日本選手団の面々が、挨拶にやってくる。
細川国際委員長は、いっしょにロス五輪代表として出場した先輩。
斉藤仁先輩も、そう。
そして、井上康生監督・・・・
世界中の日本人指導者も次から次へと、主賓隻の上村さんのところへやってくる。
天理大学出身の村上さんは、湊谷弘先生の後輩でもあり、風貌も似ており、フランスでの指導経歴も似ており、理事のみなさんの信頼も厚い。
アフリカやヨーロッパや中南米など、あちこちの理事が集まってきて会話を交わしてる。
なるほど。
森先生が、
「馳君、すぐに二人を連れて世界柔道の会場に行け。全柔連の体制が変わったことの、仁義を切ってこい!ヴィゼール会長に、{宗岡新体制をよろしく}と、上村さんから報告してもらうんだ。それが人の道というものだろう!信頼している上村さんからそう言われれば、ヴィゼールだって理解できるだろう!」
と。
その意味が目の前で、如実に理解できた。
これが、ロビー活動の現実なのだ。
この場にいなかったら、何の情報も入らないし、もちろん、重要な意思決定に影響力を行使もできない。
各競技団体の世界連盟の中に、日本人理事がどれほどいるのか?
今では、レスリングの福田富昭さんぐらいではないか。(世界レスリング連盟の副会長職)。
柔道も、長くて4年、なんとか指名理事としてはいれれば2年後。
その間、世界の意思決定の中に入れなければ情報すら入ってこないわけだ。
だからこそ、ヴィゼール会長と個人的に深く信頼し合っている上村さんと村上さんとの関係性は、なにがしかのつながりとして維持しておかなければならない。
10月には、世界型選手権の大会に、来日されるというヴィゼール会長。
あらゆる場面において、全柔連との関係や、講道館との関係を維持しておかねば、それこそ、柔道発祥の国ある日本の発言力はますます低下してしまう。
そのあと、ヴィゼール会長の隣りに誰がずっと座っているかと思えば、なんと、IOC会長選挙に立候補しているウクライナのブブカ委員。
ここまでやってきて、IOCの委員でもないヴィゼールと親しく語り合うブブカ。
ヴィゼール会長が、いまやスポーツアコードの会長として飛ぶ鳥を落とす勢いであることを理解しての行動でもあろう。
ウクライナのブブカ委員と、ハンガリー在住のヴィゼール会長との友情は、前からわかってはいたが、さすがだ。
9月6日から始まるIOC総会の出席に向けて、この世界柔道にやってくるIOC委員も多い。
とりわけ、リオ五輪の組織委員会の仕事ぶりを評価すべき委員もいる。
今日から三日間、とても大切な最終盤のロビー活動になりそうだ。
午後7時過ぎには、「レアル アストリア」というレストランへ。
海沿いのおしゃれなレストラン。
日系人社会の代表や、日系企業代表の皆さんと、いっしょに晩ごはん。