3時56分起床。



昨夜はモスクワ到着後、シェレメーチェボ空港からレストラン(カフェ・プーシキン)に直行。



先着組の橋本聖子さんや富田茂之さんとも合流し、東京都招致委員会主催の情報交換会だった。



樋口さん、市原さん、河野さんなど、招致委員会中枢メンバーと懇談。



お互いの情報を交換し合い、共有し合いながら、今夜のGALAパーティに向けての懇親会でもあった。



東京招致のポイントの一つは、「チームJAPAN」。



団結力が鍵。



昨夜もわざわざホテルでお出迎えいただいた、招致委員会スタッフの荒井さんや金子さんや斉藤さん。



その心遣いがありがたい。



招致委員会のメンバーとともに、政治も、行政も、経済界も、そしてJOCもNFも一体となっての招致キャンペーン。



この連動こそが、オリンピックムーブメントそのもの。



9月7日に投票結果は出るが、どういう結果になるにせよ、今回の招致活動で培った人脈やオールジャパン体制は、これからの日本のスポーツ外交に欠かせない財産。



その重要性をも、国内外で訴えて続けたい。



パソコンで、日本のニュースもチェック。



6時、ホテルメトロポールモスクワを出て、軽く散歩&ジョギング1時間。



赤の広場すぐそばのホテル。



以前、ここに来たときはまだ、ペレストロイカ全盛の1990年だった。



あれから23年が過ぎた。



明るくなった?



7時前にはホテルに戻り、シャワー・着替え。



8時、ホテル内の「サッヴォ・モロゾフ」という部屋で、下村博文文部科学大臣主催の朝食会。



水野さんや河野さんから、現状の報告があり、今後の展開を意見交換。



一同、いっそう気を引き締める。



朝食会の後、下村、馳、富田、浮島が、別室にて「高校無償化見直し」についての四者会談。



所得制限は?



実施時期は?



その目的と理念は?



以上のポイントについて見解をまとめ、文書とすることを決定。



この見解を与党見解とできるように、帰国後、自公両党で持ち帰り協議。



そのうえでとりまとめ、ワーキングチーム案として、高市政調会長と石井政調会長にあげることになろうか。



8月中の取りまとめのために、実務者作業を急ぎたい。





11時20分、専用車にてホテル出発。



12時、原田親仁ロシア大使公邸着。



大使主催昼食会。



昼食会後、専用車で、アシックスのオープンショップへ。



ここで一服の後、マラソン中継所へ。



ちょうど、給水所の真ん前に、大使館がレストランの一角を予約してくださっていた。



そこを拠点に、男子マラソン見学。



日の丸を広げ、給水所でごったがえす選手の目の前で、



「ニッポンがんばれ~~!」



「川内がんばれ~~~!」



「中本がんばれー!」



と、声を張り上げる。



しかし、勝負には魔物が潜む。



堀端選手(旭化成所属)が、給水所でダウン。



往年の名選手、宋監督が激励するも、首を横に振って、両手を両ひざについて、立っているのもやっとの様子。



脱水症状だろうか?それともオーバーワーク?



いずれにせよ、目の前で起こった「棄権」の残酷さ。



後続車に乗り込む姿には、沿道のファンから大きなねぎらいの拍手が届けられたのが幸いか・・・・



勝負とは非情だ。



この日に向けて、どれほどの距離を走りこんで準備をしてきたことかと思うと、気の毒で仕方ない。



17時、専用車にて、ルージニキスタジアムへ。



2013世界陸上選手権大会。



プログラムは、



① 男子マラソン



② 女子走り高跳び決勝



③ 男子やり投げ決勝



④ 女子5000メートル決勝



⑤ 女子100メートルハードル決勝



⑥ 女子400×4リレー決勝



⑦ 男子200メートル決勝



圧巻だったのは、やはりウサイン・ボルトの激走。



モスクワの世界選手権は、彼のためだけの会だったか!



また、女子4×400メートル決勝は、ドラマティックな展開。



アメリカが第1走で圧倒する。



やはり強い。



しかし、第2走で距離を縮めて盛り返し、第3走のバトンリレーで逆転するロシアチーム。



ここからはもう、会場は「ロシア!ロシア!ロシア!」の大合唱。



アンカーは、あと一歩までか!と詰め寄られながらも、見事逃げ切りで優勝、金メダル。



すさまじいほどの感動の大歓声。



これって、スポーツ?



なんか、スポーツを超えた大きな戦いの結末を見た思い。



できれば、ここにプーチン大統領とオバマ大統領がいれば、両者の表情はどうだったか?



プーチンも素直に首脳会談に応じたのではないかな?



興奮冷めやらぬ中、競技終了後、専用車にてGALAパーティへ。



21時、電通GALAパーティ。



会場は、グレートレジデンス宮殿。



招待客は、500名をゆうに超える大パーティ。



電通の社長さんがおっしゃるには、



「馳さん、予定したよりも100人以上も多いですよ!」



と。



さすが世界の電通。



陸上界のスーパースター、室伏選手は大人気で、遠近の国の関係者から声をかけられていた。



室伏選手とか、橋本聖子さんとか、こういう若手がいつの日かIOCメンバーとなって、世界のスポーツシーンをリードしてほしいもんだ、とそう思う。



素の室伏選手、大のプロレスファンであることが判明。



「馳さんですよね、大ファンです、中学校の時、いつも見てました、国語の先生だったんですよね!」



と、握手を求めてくる目は、まさしくプロレス少年そのもの。



「そうですよ。こちらこそ光栄です。」



と握手。



「そんなにプロレス好きだったの?」



「はい!愛知県出身なんですけど、高校は千葉だったんですよ。よくテレビで見てました。」



と、本格的なプロレスファンみたいだ。



「高校のときはウェイトで体鍛えて、卒業の前に、親父に直訴したんですよ、プロレスやらせてくれって!」



・・・・・・こりゃ、本物だ。



「で?」



「さすがに、それだけはあきらめてくれと説得されましたけど、本当にプロレスラーになりたかったんです!」



って、いいね、この純粋さ。



「じゃあ、今度、武藤ちゃん紹介するからさ、どう?プロレスやってみない?」



「いえいえいいえいえ、もう、とても、あの、その、無理です!」



「い~~~~や、武藤がコーチしたら、いけるよ、その体!」



とその気にさせると、その気になる室伏選手。



「そうっすかね・・・・やっぱ、無理ですよ~~~~!」



と、動揺している室伏選手。



人生、後悔しないためにも、一回やってみたら?



プロレス、痛いけど、楽しいよ!



・・・・



と、そんなプロレス談義ばっかりしてるわけにもいかず、このキャンペーン活動を通じて顔見知りのIOCメンバーにご挨拶。



ワインや、シャンパンや、酒や、ビールを次から次へといただきながら、長話こそできないが、



「2020TOKYO」と顔に書いて(いるつもりで)ご挨拶回り。



とても人気のあったのが寿司バー。



モスクワでも最高級のすし店のケータリング出前。



行列ができるほど。



招待を受けたIOCメンバーも多数。



国会議員それぞれが、カクテルを手に、ロビー活動。



23時過ぎにはお開き。



素晴らしい公式GALAパーティを企画していただいた電通さんに、深謝。