自分は、慶応通信で東洋史を専攻し、中国史や中東史などの科目も受講してきたが、残念ながら東南アジア史や南アジア史が抜け落ちていた。それらをカバーしてくれるのが、ズバリこの本だといってよい。
そして、自分が最も注目したのが、『モンゴル帝国はアジアをどう変えたのか?』だ。それは、まず元国の登場により、中国の支配領域は漢人の住む地域だけでなく、北はモンゴル、東北は満州、西は新疆まで広がり、現在の中国の基盤ができたことだ。
さらに、この帝国は、インド、中央アジア、ヨーロッパの一部にまで領土を広げたが、その支配構造は、現地人を幹部に起用し、現地の宗教や文化を尊重した政策に大きな特徴がある。これらが近現代の植民地政策との大きな違いだ。
それから、華僑と印僑の違いだ。華僑は華南出身者が主にマレーシア、タイなどに出稼ぎに出たもので、その約七割が東南アジアに集中しているのに対して、印僑と呼ばれるインド人は、シンガポール、フィジー、南アフリカなどのイギリス植民地に出稼ぎに出ていたそうだ。
正直なところ、これらは、現代の移民と国情の関係を見る上で、非常に勉強になった。Knowledge is the power.これからも、もっと歴史を極めたい。
