向原の中心に地蔵堂があるのを皆さんご存知ですか。
大正時代の地図にも地蔵堂とありますが、昔はお寺だったようです。
夏の地蔵盆8月24日には、向原自治区の万灯篭がこの地蔵堂を中心に行われます。
ところがこの地蔵堂には、本尊の地蔵がありません。
なぜ地蔵がないのか。
なぜ、空の地蔵堂を地域で守っているのか。
私先日、佐伯市蒲江に研修にでかけまして、そのときたまたまお寺のお話がでました。
そこで、昔聞いたことのあるお話を書いておきます。
佐伯市蒲江に向原寺(こうげんじ)というお寺があります。
佐伯市蒲江河内地区にあったと思います。
むかしこの地区にはお寺があったのかなかったのか知りませんが、当時はお寺がありませんでした。
隣村のお寺は古くからあったのですが、住職はお歳でしたので、ゆくゆくは檀家を統一するつもりで新しくお寺を作ることになりました。
そこで新しく作るお寺の住職を、県内各地から探します。
そのときちょうど挾間町向原の向原寺で修行中の修行僧に白羽の矢が当たります。
この修行僧、よほど向原の人々から愛されたのか、はたまた向原の人々はよほど修行僧に負い目が合ったのか。
なんと向原の人々は、新しいお寺ではご本尊もなかろうと、この地蔵堂の地蔵様をもたせてやったそうです。
そして新しくできたお寺は、向原から本尊が来たということで向原寺としたということです。
先日蒲江の地域の方に聞いたお話では、この時の向原寺の若い住職は、この地域や古い隣村のお寺をまとめるお寺として期待をされていたのですが、残念ながら早世されたそうです。
挾間の地蔵堂には、ほかにも立派な石像が残されています。
いちどじっくりご覧になられてはいかがですか。
佐伯市蒲江 向原寺の場所
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