根に持っている夫の発言について書きましたが
実際、家族であっても自分以外の人がどれほど頑張っていてどれほど大変なのかを知るということは難しいことなのかもしれません。
それを痛感したのが、長女が2歳ぐらいのある日の出来事でした。
長女が産まれた辺りからずっと、夫は激務でした。
帰宅はたいてい夜中の12時過ぎ。
それがある夏の日、夫が珍しく夜8時前に帰宅したのです。
予告なしに突然。
「今日花火大会だね混んでるから現地に行くのは無理だけど、高台にでも登ってそこから見ようよ
」と。
夫のテンションとは裏腹に、私は
「は………??」状態。
既に娘と入浴を終えてノーメイク、洗いっぱなしの髪はバサバサ、キッチンには洗い物が溜まってしっちゃかめっちゃか。
何より、1日のワンオペ育児の疲れで立ち上がるのも億劫なほどです。
今から出かけるの………??
「あ、ごめん、えーと…そんなこと急に言っても無理だよねっ」
と瞬時に空気を読んで花火見に行きたい案を引っ込めた夫ですが、続く一言には仰天&考えさせられました。
「ママなんか疲れてるね?今日大変なことでもあったの?」
夫に悪気は全くありませんでした。
むしろ、私を心配して気遣ってくれての一言だったと思います。
だから私も、イラッとはしませんでした。
イラッとはしなかったけど………
「今日に限らず毎日これぐらい疲れてるし、毎日同じぐらい大変なんだけど、もしかして夫はそれを全然知らないのか!?」
と、この時初めて気づいたのです。
その日特に疲れていたわけではなく、午後8時には疲れ切ってグッタリしているほうがむしろ私にとっては普通でした。
考えてみれば夫が帰ってくるのはいつも私と娘が寝静まった後。
自分が家にいなかった日の午後8時の、ワンオペ育児で疲れ切った私と荒れ果てた家の中をそういえば夫はこの時初めて見たのでしょう。
そして当然ながら、ワンオペ育児の日々のルーティンも夫は見たことがありません。
休みの日は夫は娘の相手をよくしてくれるので私もかなり助かっていました。
が、だからこそ、助けられていつもより余裕がある私しか夫は見たことがなかったのです
夫はできる範囲でよく子育てに参加しているとはいえ、育児と家事をワンオペでこなすという経験はしたことがありませんでした。
1日ワンオペしたらボロボロに疲れること。
子どもの身支度などの準備もあるので、夜の8時に限らずどの時間帯でも突然「出かけよう」と言われてすぐ家を出ることはできないこと。
夫は理解していませんでした。
2年も3年も一緒に子育てしているつもりだったけど、見ている景色はどうやら全然違ったみたい。
そのことにも驚いたし、そのことに全然気づいていなかった自分たちにも驚いたのでした。
そしてこの時、私は私で夫の大変さを全く理解していなかったことに後に気づきます。
このころ、「上司と合わなくて大変なんだよね」という話は夫からチラチラ聞いていました。
が、その上司の具体的な言動を夫が話してくれて
「それってパワハラ、モラハラじゃん」
と私が気づいたのは数年後。
そしてつい最近、
「いまだに転職サイトからメールくるわ」
と夫が笑っており、当時転職を真剣に考えていたほど夫が追い詰められていたことを知ったのです。
ごめん
そんな大変な中、夜8時に突然帰ってきたあの時って夫どういう気持ちだったんだろうな。
自分髪ボサボサ、顔げっそりで、娘は洋服が食べこぼしだらけ…とかでも、そんなの関係なくとりあえず高台に花火見に行ってみたらよかったんじゃないかって、ちょっとだけ思います。
互いの大変さを思いやるのは難しい。
でもね、思うんです。
お互いの大変さ、わからないから助かることもあるのかもしれない。
私が育児に行き詰まっても、夫はそんなこと知らないでただただ娘を愛おしがり可愛がり、その態度にモヤッとしたこともあったけど救われたことのほうが多かったです。
2人で揃って行き詰まってても仕方ないものね。
夫も追い詰められていた時、私の呑気さに腹が立ったこともきっとあったでしょう。
でも、2人揃って深刻にならないから上手くいったという場面もあったのかもしれない。
お互い、わかり合えない大変さを抱えているのかもしれないと思いやることは大切だけど、全てを知る必要もないのかもしれませんね。
先日のブログに書いた
「ママは何がそんなに大変なの?」
は悪意たっぷりだったので、やっぱり一生許さないですけどね ←しつこい