蘇州軌道交通の旅(11) | 蘇州日記

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2015年4月から蘇州に単身赴任しています。蘇州での生活をブログに書いてる人が大勢いて、赴任前にとても参考になったので、真似することにしました。

ちゅ今日は蘇州軌道交通1号線の東から10個目の駅「東环路」(ドンフアンルー)の紹介です。







下の図のように蘇州には6つの区があります。

(工業園区は厳密には「区」ではないのですが、便宜上区のように扱っています。その事情はこちらをご参照下さい。)





工業園区の東から西へと進んで来たこの軌道交通の旅ですが、今回でようやく園区が終わり、姑蘇区に入ります。

姑蘇区は蘇州の中心部です。

大昔は蘇州と言えば、現在の姑蘇区にあたる部分しかありませんでした。

世界遺産に登録されている蘇州古典園林などの観光地の大半は姑蘇区に属しています。



東环路駅から地上に出ると、東环路という道路が南北に走っています。

この道路の上には東环路高架という高速道路みたいなものが走っています。

これは厳密には高速道路ではなくてバイパスなので無料です。





東环路高架、南环路高架、西环路高架、北环快速路という4つの高架道が蘇州の旧市街を四角形に取り囲んでいるのですが(下の地図の黄色い四角)、その四角形の中が姑蘇区だと理解しておけば大雑把には合ってると思います。





一方、この駅の上を東西に走っている道は、ここよりも東側が蘇州大道西、西側が干将東路と名前が違います。







園区は半ば蘇州から独立した区という感じなので、道路名に次のような独自のルールを採用しています。

1. 南北を走る道路は○○街
2. 東西を走る道路はメイン道路が○○大道、それ以外が○○路

このルールはわかりやすくて便利なのですが、園区を出るとこのルールがなくなり、ほぼ全ての道が○○路という名前になります。

○○街もたまに見かけますが、これは狭い道に付ける名前のようです。



ここは僕から見ると蘇州大道西の終点ですが、蘇州の中心である姑蘇区から来ると蘇州大道西の出発点にあたるので、「ここから工業園区ですよ」という看板が立っています。






さて、蘇州大道西の場合は名前が変わるだけで、道そのものは姑蘇区に入ってからも続きますが、園区が終わると共になくなってしまう道路もあります。

下の地図を見ると一目瞭然なように、星海広場や中央公園の周辺(=園区)は道路が碁盤の目のように走っているのに、東环路よりも西側(=姑蘇区)は道路がめっきり少なくなってしまいます。





姑蘇区は昔から都市化が進んでいた為に、広い道路を作る余地がないのです。

この為、蘇州市を南北・東西に抜ける広い道が殆どないので、東环路高架、南环路高架、西环路高架、北环快速路の4つのバイパスの出番となるわけです。



道路が減る以外にも、園区から姑蘇区に入ると街並みがガラッと変わる点がいくつかあります。

まずは建物の違いです。

2000年以降に建てられた建物が殆どである園区では、30階くらいの高層建築が主流で、デザインは現代的で遊び心があります。一方、改革開放前に建てられた建物が多い姑蘇区では1~7階建てくらいが主流で、デザインはどの建物も殆ど同じで日本の昔の団地みたいな無味乾燥な感じです。

また、改革開放前の中国の建築物にはベランダという概念がなく、洗濯物は窓の外に直接つけられた物干し竿に干します。





次に、商店の看板です。

園区ではほぼ100%の看板にアルファベットの英語っぽい名前が追記されていますが、姑蘇区に入るとそれはほぼ消滅し、漢字のみの表記が殆どになります。

また、赤い文字を使ったり、書道みたいな字体を用いた中国らしい看板が増えます。





そして、交通マナーの違い。

徒歩や自転車で移動する僕は、電動自転車にぶつからないように気を付けなければいけませんが、姑蘇区に入ると電動自転車の数自体が激増すると共に、彼らのマナーが急激に悪化するのでかなり怖いです。クラクションをやたらと鳴らすし、赤信号で止まらない人は多いし、運転しながらツバを吐くのです。

園区は蘇州の他の地域に比べて物価が高く、経済的に余裕のある人が住む地域です。この為、他の地域に比べると公共マナーの高い人達が多いのです。

更に、電動自転車というもの自体が比較的収入レベルの低い人達の為の乗り物ですので(収入の高い人は自動車に乗ります)、園区から出ると電動自転車の数が増える一方、道路の数が少ない為に余計に電動自転車の密度が高くなります。それによって、他の電動自転車を避けながら運転することのストレスもあり、なおさらイライラしてしまうのだろうなと思います。



東环路の周辺には蘇州大学があります。

蘇州大学はいくつかの大学が合併してできた経緯があるのでキャンパスがやたらといっぱいあり、キャンパスの多くは隣の相門駅の方が近いですが、ここでまとめて紹介します。

これが多分、中心的なキャンパス。





こちらが北校区。





こちらが東校区。





蘇州を英語で書くとSuzhouですが、昔はSoochowと書いたそうで、蘇州大学の英語名は今もSoochow Universityです。



蘇州大学の東校区の正面にあるのが、万科美好広場というショッピングセンターです。





ここには園区にしては珍しくマクドナルドがあるので、たまに食べに来ます。





あと、マックスバリューもあるのですが、他の方のブログによると閉店するらしいです^_^;




第10回・中央公園へ

第12回・相門へ

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