5年前の記事〜⭐︎ 懐かしいね、 | いくつもの「月がまわってくる」~自閉症・発達障害支援会社社長のブログ~

いくつもの「月がまわってくる」~自閉症・発達障害支援会社社長のブログ~

障害支援グッズ&サービスの小さな会社法人 株式会社 おめめどう

自閉症支援は。ポジティブシンキンぐ~~~♪(笑)

今年で、14年目ハル社長の丁寧飯と、居心地の良い暮らし

このブログは、旅グルメとおめめどうへのお便りを主に載せていきます。

5年前の記事〜⭐︎ 懐かしいね、『支援のコツ』は、もう暗記してるよね〜ユーザーさんは(笑)

 

・・・・・・・

 

『今日からできる支援のコツ♪』の前書きかけた〜〜。これで、1900文字。500文字へちる!!!

 

まえがき

 

  「お母さん、お子さんを自閉症と思い過ぎています。普通の子供のように接するのも大切ですよ」今ではよぉくわかるこの言葉も、診断まがない頃医師から聞いたときには、素直には聞き入れることができませんでした。というのも、ダダさんがなぜこんな行動をするのか? それを知りたかったから。私は「目の不自由な子どもが授かったとしたら、目が見えない世界はどんなものかを知らないと子育てなんてできない」と思いました。彼の世界を知りたかった。

 

  早くから私は講演会や本で自閉症の特性の勉強をして、暮らしでは「どうやら見せたほうがいいらしい」と視覚的支援を続けました。それで、『そうか、私たちとは違う感覚や文化を持った子供達なのだ』とわかっていきます。私の1冊目の本『レイルマン』(2002年)には「自閉症文化の道しるべ」と文化と名付けました。特性の理解こそが、子供とわかりあって暮らすために大事なことだと。

 

  今回の冊子『支援のコツ』の元原稿は、2000年親の会を始めたとき、テキストがいるなと考え、それまでの学びをまとめたものです。作った当初は「こういう特性があります」→「こういう対応をしましょう」というこちら目線のものでした。けれども、日々の暮らしの中で、特性への対応の他に「選択活動」や「AAC」を取り入れていったことで、こちら側の「こうすればいい」だけでは、うまくいかない経験が増えていきます。

 

  2003年大きなシンポジウムに呼ばれたとき、思い切って本人の視点からの文章「こういう特性があります」→「こうしてもらったら助かります」と書き直してみました。すると、とてもスッキリしたのです。ああ、こういうことだったんだ!視点が間違っていたんだと。

 

  2004年おめめどうの起業と同時に出版した『レイルマン〜自閉症文化の愉しみ方』には巻末に「自閉症ってナニ?本人の側から見てみれば」という資料を載せています。そこには、<障害特性による「生活のしにくさ」がある。それをダダの側から考えると、「支援の方向性」はダダ自身が「してほしいこと」そった援助しかない」>と書いています。

 

  また、すでに絶版になった2006年に出版した『自閉症の息子 ダダくん11の不思議』は、その11の特性を「自閉症」や「障害」という表現なしに書きました。私にとっては、自閉症の特性がもつダダさんこそが家族だと思えるようになったからです。

 

  手立てをしていくと、それまで「特性と言われていたもの」が、実はそれほどでもないというものもわかっていきます。例えば、「変更は苦手」というのは、よく聞く自閉症の特性でしたが、「前もって知らせる」ことや「本人に選んでもらう」「本人のタイミングまで待つ」というような手立てをしていくと、そうでもなくなります。それで、「前もって知らせてもらっていない変更を納得するのに時間がかかる」というような項目になっていきました。

 

  「手立てをしていない状態像と手立てをした状態像とは違うんだ」とわかるでしょう。それから、対峙する当事者の年齢というのも、大事になっていきます。育っていく中で変化していくのです。

 

  小さい頃は「こういう順番にするのよ」と伝えるスケジュールも、仕組みさえわかると、学齢期には一緒に立て、思春期には、本人に立ててもらうという年齢の尊重を忘れては、どんどん窮屈なものになっていきます。

 

  「手立てしない状態vs手立てをした状態」と同じように、「年齢の尊重をしてない状態vs年齢の尊重をした状態」はまるで違うさまを呈する。その年齢の尊重については、この冊子はあくまでも手立ての説明なので、あまり盛り込んでいませんから、忘れない様にしてほしいと思っています。

 

  さて、この「支援のコツ」は「耳タコ」と言われるくらいおめめどうでは基本的なことです。2008年にe/bookとして発売をし、2012年にはkingstoneさんと一緒に改訂版『今日からできる、支援のコツ♪』として、ダウンロードサイトとe★テキストとして販売してきました。それを、今回もkingstoneさんにお手伝いいただき、挿図や、セミナーの時に配布する資料なども入れて、大改訂して冊子化することにしました。

 

   わかりやすく「自閉症が持つ特性」→「どう大変なの?」→「どう考えたらいいのかな?」→「こうしてくれたら助かる」の四段階での説明しています。ぜひ、自閉症・発達障害に関わるたくさんの人の目に触れたらいいなと思っています。

 

  「今日からできる」は嘘ではないですよ、だって、カレンダーにしてもスケジュールにしても、視覚的支援にしても「おめめどうグッズ」がもう揃っていますから(笑)

 

 2019年  夏  奥平綾子@ハルヤンネ