日本の医療現場には様々な課題がありますが、現状もっとも深刻なのが看護師不足だといえるのではないでしょうか。最近では看護師不足についてテレビやニュースでも取り上げられているため認知されるようになりましたが、十分な改善には未だ至っていません。
では、そもそもなぜ、看護師が不足しているのでしょうか。その理由には、少子高齢化の影響がありますが、医療現場そのものにも問題があります。
まず考えられる理由が、看護師の仕事内容の多様化です。仕事の多様化によって看護師の仕事内容が徐々に増えてきており、それに対応できなくなってきていることです。仕事が忙しくて退勤が遅れてしまったり、夜勤の増加などが発生している現場は少なくありません。そのため、やむを得ず退職してしまう看護師が増えています。また、一度辞めると復職しにくい環境も原因の一つです。
看護師は今でこそ男性も増えてきましたが、まだまだ女性が多い職種です。女性は結婚や出産、育児といった人生における大きなイベントがあるため、ライフステージが変わると離職せざるを得ない状況になることがあります。さらに、ライフイベントを機に離職してしまうと、復職しにくいという状況も問題になっています。実際、潜在看護師の数は、年々増加しているといわれています。
辞めたら終わりではなく、辞めた後も再び医療の現場に戻って来られるような環境が整っていなければ、看護師の離職は増加の一途をたどってしまうでしょう。
