『養生訓』 灸瘡をつくる(巻八42) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「灸をした後に、灸瘡ができないようでは、その病は癒えがたい。自然にまかせ、そのままにしたのでは、人によって灸瘡のできないことがある。このようなときには、人の手を加えるべきである。虚弱な人は、灸瘡ができにくいものだ。

 古人は、灸瘡をつくる方法を多く知っている。赤い皮の葱を三~五茎、青い部分を取り除き、糠の熱い灰の中に埋めて熱し、割って、灸の痕を何度も温める。また、生麻油を何度もつけて、灸瘡をつくる方法もある。また、灸の後に、もう一、二壮灸をして、発生させることもある。あるいは、焼鳥や焼魚、熱いものを食べて、発生させる方法もある。今、自分で試みたところでは、熱湯を使って、しきりに灸の痕を温めるのも、よいようである。」


昔は灸痕を残すのが主流だったんですね。しかも、灸痕にかさぶたができないときは、わざわざ手を加えてまでつくったようです。「艾しゅの大きさ」 でもご紹介しましたが、これを打膿灸あるいは弘法の灸といいます。免疫力を高めて、からだを丈夫にする方法として行われました。


現代では、そんなことをしたら、下手すれば傷害罪ですから、よほどの理由があって、同意書にサインでももらわない限り、絶対にしません。しかも、そこまでしなくても、免疫力アップをはかれることがわかってますからね。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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