『養生訓』 丸薬・散薬・煎薬・泡薬の違い(巻七29) | 春月の『ちょこっと健康術』

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「およそ丸薬は、性がもっともやわらかで、その効きめは鈍くゆっくりで鋭くはない。身体下部に到達させる薬、また胃腸の積滞(しゃくたい)を治すのによい。

 散薬は、細かな粉末にした粉薬である。丸薬より鋭敏である。しかし経絡には循環しにくい。身体上部の病気、また胃腸間の病気によく効く。

 煎湯は散薬よりその効果は鋭い。上中下、胃腸、経絡、すべてによく循環する。

 泡薬は煎湯よりなお鋭く効く。外邪、霍乱(かくらん)、食傷、腹痛に用いるとよい。その効きめは早く出る。」


煎薬については「薬の煎じ方と飲み方」 に、泡薬については「泡薬の法」 にありました。あらたに丸薬と散薬について書かれています。


丸薬はしっかりと固まっているからこそ、ゆっくり溶けながら効果が出てきて、身体の下部まで到達する、胃腸につっかえた積滞を少しずつ解消するという考え方ですね。


積滞というのは、一言で言えば消化不良。東洋医学では、これを食べたものが消化しきらずにつっかえて、気血の流れを阻害すると考えます。


反対に散薬は軽いので、身体上部や胃腸に効果をおよぼしやすいけれど、からだの奥深くまでは到達しきらないってことですね。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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