『養生訓』 大晦日の過ごし方(巻六22) | 春月の『ちょこっと健康術』

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おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

「除日(じょじつ)には、父祖の神前を掃除し、家の内、とくに寝室のちりをはらい、夕方には灯をつけて、翌朝になるまで家の内を明るくたもち、香をところどころにたいて、かまどで爆竹を鳴らし、火をたいて陽気を助けるとよい。家族と炉を囲んで、和気あいあいとして、人と争わず、家人を叱り、ののしってはいけない。父母や目上の人に礼をつくし、家の内の老幼も上下もともに椒酒(しょうしゅ)を飲んで、喜びを分かち、楽しく過ごし、終夜寝ないで旧年を送り、新年を迎えて朝にいたる。これを守歳(しゅさい)というのである。」


除日(じょじつ)というのは大晦日のこと。神前もしくは仏前をきれいにして、そうじをしてというのはわかりますが、江戸時代、かまどで爆竹を鳴らしたりしたんでしょうか。爆竹となると、中国の春節が思い浮かびますが。淑酒(しょうしゅ)というは、山椒を入れたお酒のことで、この場合はお屠蘇でしょうね。守歳(しゅさい)とは、大晦日に夜通し起きていることを言います。


1年の締めくくりである大晦日に、人を怒ったりののしったりしないで、和やかに過ごして、新年を迎える。いいですね。「即除日起講」(すなわち除日に講を起こす)という言葉があります。かんたんに言えば、「思い立ったが吉日」、「いいと思うことはすぐに始めよう」という意味なんですが、益軒先生のおっしゃるように、大晦日を和やかに過ごせば、和やかな1年がやってきそうですね。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


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