『養生訓』 養生を守って憂えない(巻六7) | 春月の『ちょこっと健康術』

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おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

病ある人、養生の道をば、かたく慎しみて、病をば、うれひ苦しむべからず。憂ひ苦しめば、気ふさがりて病くははる。病おもくても、よく養ひて久しければ、おもひしより、病いえやすし。病をうれひて益なし。只、慎むに益あり。もし必死の症は、天命の定れる所、うれひても益なし。人をくるしむるは、おろかなり。


病いのある人は、養生の道を固く慎みをもって守り、病気のことを憂い苦しんではいけない。憂い苦しんでいると、気が塞がって、病気が重くなる。病いが重症でも、気長によく養生すれば、思ったよりも早く回復するものだ。病気を心配しても無益である。ただ養生の道に従い、慎むことに益がある。万一、死に至る病気であるならば、それは天命の定めることであるから、憂いても益はない。どうにもならないことで、人を苦しめるのは愚かである。


養生法というと、病気にならないための予防法と考えがちですが、益軒先生は病気の人こそ守るべきものだとおっしゃっています。そして、病気になってしまったことを憂いていても、気がふさがるだけだから、ただよくなるように養生しなさいとも。なるほど!納得です。


起きてしまったことを悔やんでも、事態は変わりません。まだ起きてもいないことを心配しても、疲れるだけです。どうしたらよくなるか?それを考えることが大切ですね。


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