『養生訓』 食後に口をすすぐ(巻三63) | 春月の『ちょこっと健康術』

春月の『ちょこっと健康術』

おてがるに、かんたんに、てまひまかけずにできる。そんな春月流の「ちょこっと健康術」。
体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

「食後には、湯茶で口の中を数回すすぐのがよい。口の中を清潔にし、歯にはさまったものを取り除くことができる。つま楊枝で刺すことは不用である。夜は、温かな塩茶でもって、口をすすぐとよい。歯牙が丈夫になる。口をすすぐには、中の下くらいの茶がよい。これは、蘇東坡の説である。」


お茶には殺菌作用がありますから、食後に口をすすぐにはちょうどいいですね。益軒先生は、爪楊枝を使うよりもお茶で口をすすぐほうがよい、夜は塩を加えたお茶にすれば歯が丈夫になる、とおっしゃっています。江戸時代、竹をさいたものを歯ブラシとして使っていたようですから、虫歯予防の習慣はすでにあったのでしょう。


塩を加えると歯が丈夫になるのは、現代的に言えば、「歯茎が引き締まるから」でしょう。東洋医学的には、歯は骨余(こつよ)といって、骨の変化したものと考えます。そして、骨は五臓の と関連している。腎を強くするのは鹹味(塩からい味)。ということで、塩→腎→骨→歯というつながりです。


蘇東坡については、『養生訓』の「茶の効用」 で解説していますので、そちらをご覧くださいね。


『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』


次 → よその土地での飲食(巻三64)


春月の『ちょこっと健康術』-夾竹桃