「心は楽しませて、苦しめないのがよい。身体は動かして労働することがよく、休養し過ぎてはいけない。いずれにしても、自分の身体を過保護にしてはいけない。
美味しい物を食べ過ぎ、美酒を飲み過ぎ、色を好み、身体をいたわり過ぎて、怠けて横になることばかりを好む。これらはすべて、自分の身をかわいがりすぎることで、かえって身体の害になってしまう。
また、病気でもないのに、補薬をやたらに多く飲んで、かえって病いになるのも、身をいたわりすぎるからである。まことに子供をかわいがり過ぎて、かえって子供の不幸を招いていまうようなものである。」
何事も過ぎたるは及ばざるが如しですね。労働過度(働きすぎ)も安逸過度(休みすぎ)も、後天の本である脾の働きを鈍らせますから。脾は消化吸収によって、飲食物から後天の気を生みます。後天の気は、先天の元気を補います。
ダラダラ休日が好きな私には、ちょっと耳が痛いです。補薬は、現代ではサプリメントでしょうか。あくまで不足を補うものであって、それに頼りきるのはよくないってことですね。
『養生訓』の原文はこちらでどうぞ→学校法人中村学園 『貝原益軒:養生訓ディジタル版』
次→ 長命と短命(巻二10)