一昨日、読み切り小説「・・・じゃね~?の法則」と言う時間をテーマにしたお話を投稿しました。
それに関連したお話を思い出しました。
今回のお話は私の創作ではありません。
ある実在の住職(お坊さん)の説話です。
私は面白いなぁと思って印象に残っているので皆さんにも是非読んで欲しいのです。
(一部記憶が曖昧な部分があって若干元のお話と違うかもしれません)
「禁煙をした男の話」
あるところにヘビースモーカーの男がいました。
あまりのチェーンスモーカーぶりに彼の体は耐えられなくなり体調が悪くなります。
そしてやっと重い腰を上げて医者に行くのです。
そこでお医者様に「このままだと早死にしますよ」と言われてしまいます。
焦った男ですが長年親しんできたタバコの煙は害になると分かっていてもそうそう止められるものではありませんでした。
「先生、私はどうしたらタバコを止めることが出来るんでしょう?」
「簡単な事です」
薬を貰えると思っていた男は医師の話を聞いて驚き、そして呆れました。
「今日だけタバコを止めてください。明日から吸っても良いですよ」
拍子抜けとはこのことです。
「それで良いのですか?」
「はい・・・我慢出来ますか?」
腕時計を見ると午前10時だった。
「まあ・・・それ(14時間)ぐらいなら我慢出来そうです」
「頑張ってください。もし約束を破ったらあなたの肺を摘出しますよ」
「こ、こわ!」
男は笑いましたが、先生は真面目な顔でメスを取り出しました。
さて、勘の良い読者の方はここでもうオチが分かったことでしょう。
何?分かりませんか?
では続きを。
男は我慢します。
夜になって20時になりました。
吸いたくて少しイライラしましたが辛抱です。
あと4時間じゃないか。楽勝楽勝~!
23時。
よし!あと1時間だ。
23時55分になりました。
よーし、先生、我慢しましたよ。
吸いますよ、タバコ、良いんですよね?
23時59分。
タバコを取り出し口にくわえ、ライターを取り出しました。
もうじき明日じゃないか。
案外ちょろい約束だったな。
57秒、58,59,00!!!
その時です。
お医者さんから電話がありました。
男「あ、先生、もう吸いますよ?良いんですよね?」
医者「何でですか?」
(©東宝動画様拝借)
男「何でって、先生昨日仰ったじゃないですか。今日が終わったら吸って良いって。だから・・・」
医者「いいえ、今日はたった今始まったばかりです。今日はタバコを我慢すると言う約束でしたよね?」
私はこれを聞いて思いました。
そのお医者さんは「一休さんか!」と。
(©東宝動画様拝借)
今日の終わりは明日ではなくて、今日の始まりです。
男は永遠にタバコを吸うことが出来ませんでした。
如何でしたか?
時間って繋がってますよね?
便宜上、昨日、今日、明日と言ってますが、どこかに線でも引いていますか?
もし無人島で何も時を示すものが無ければ昨日、今日、明日の境界はもっと曖昧なものなんじゃないでしょうか?
上のお話は屁理屈かもしれませんがちょっと面白いでしょ?
私たちは「今日(今)」と言う日を一生懸命生き続けている訳です。
仏教における時の観念って凄い単位で、とても面白い表現をするんですが、いっぱいありすぎるのでまたの機会にします。
読んでくださってありがとうございました(⌒∇⌒)