2期が終了して1週間。
放送がないっす。
最後(かな?)に、
1期3話「幽霊騒動」の芙蓉妃の一件から、
神美をふりかえりました。
後宮:鳥かごの妃たち――人質?
芙蓉妃は、属国の姫でした。
後宮に入内したのは、今までに何度も出てきたように
属国が茘(リー)国に背かないようにするための人質です。
そういう妃はただの人質かというと、
それは妃たち、本人次第とも言えます。
たとえば玉葉妃、
彼女も氏族の姫であり、
中央と玉の一族の思惑があって後宮に入内しました。
茘の中央としては、
玉葉を抑え、玉の一族との関係を密にして
西側への守りを固めたい。
玉葉の一族にとっても、
帝の寵姫がいれば、いろいろと助かるし、潤う。
さらに皇子を生み皇后になれば、
茘国内での有力者の一族となる。
※神美が入内すると決まって、
皇后になる夢…野心を抱いたことはそんなに悪いことじゃない。
というか、むしろ一族の姫としては当然のこと…と考えることもできる。
芙蓉妃の後宮入りは、結果として幼馴染と結婚するために必要な手段
属国の姫だったということは、
その地方では、超有力一族の族長の姫です。
あのタイミングで後宮に入内していなかったとして、
幼馴染で恋人だった武官との結婚は不可能だったと思う。
武官は、いつか出世して手柄をたてたかもしれない。
けど、
有力氏族の姫が、属国内の家臣に嫁ぐかといえば、
その可能性はとても低い。
なぜなら、
属国同士の連携を強めるために属国の長へ、
あるいは、中央から不利な条件をつけられないように、
後宮が無理なら、
中央に顔のきく別の有力者に嫁ぐ可能性が高いから。
この時代、この国の「お偉いさんの結婚は恋愛とは関係ない」ので。
芙蓉妃が、
結果的に好きな人と結婚できた唯一の道筋の途中に後宮があった。
- 後宮へ入内→(舞踏で失敗、帝の目にとまらないように過ごす)
- 幼馴染は茘の武官として出世し、褒章を得るほどの武勲をたてる。
- 幼馴染が芙蓉妃の下賜を願い出て、許される。
- 帝が舞踏を失敗した芙蓉に興味を持ってしまったら
- 属国が謀反、じゃなくても、政治的ミスをして茘に大損害をあたえたら
- 幼馴染が出世できない…または年数がかかりすぎたら
- 幼馴染に、ほかに好きな人ができてしまったら
神美(シェンメイ)とはどこが違ったのか
- 幼馴染の子昌を愛していなかった。(格下だと思っていた)
- 帝の寵愛を受けることを願った。
- 姫として、上に立つ者の矜持を捨てられなかった。
- 下賜されるまでに20年が経過していた。
話を神美に戻します。
前から思っていたんですが…
神美は、後宮という帝の愛を得ること=自分の存在価値という場所で、20年間、ないがしろにされ、放置されたことで壊れてしまっただけ。
この世界のあの立場ではふつうの姫だったんだろうなと、思うんですよねぇ。
私たちが知る、壊れたあとの彼女は化け物でした。
壊れ方が性的な要素を含んでいたり、
純粋な子昌の愛を拒否したり、
娘を見ていなかったり
毒をまき散らす棘だらけの化け物だったんだけど
そこに「(バカにされて)負った傷が痛くて痛くてどうしようもない」と暴れているだけの子どもが見える。
そんな子どもが化け物になったのは、
権力を持っていたからで、
ってことは、権力を与えた子昌が悪いのかな。
報われない子昌。
茘の国の為には何をすべきか、考えられたのにねぇ。
それも自分もふくめた一族の破滅込みだったから、
結局は仕方がないんだけど…。
化け物は退治され、
お姫様は自由になって異国に旅立って行きました。
3期はまったく別の事件と
もちろん猫猫は活躍するし、
壬氏との距離はある意味さらにちゃんと近づく…?
ちゃんと?
まあ、素直に近づかないからこそ、保てる関係もあるわけですから…。
でも、3期は、
ひとりのかわいそうな姫が救い出されるお話…かな。