解錠師 (ハヤカワ・ミステリ文庫)/早川書房
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これもずいぶん前に読んでおかなくてはいけなかった一冊

子供のころに恐ろしい目にあい、家族を失って以来、自らの声をも失ったマイクル。
雑貨屋で見つけた錠をおもちゃにして遊んでいたことから解錠の才能に目覚め、その魅力に取りつかれたた少年の純粋な愛と、その歳には不釣合いで理不尽な運命。
彼はおろかではあったけれど、けっして邪悪ではない。そして、この道しかなかったとは自分でも思っていない。
絶望しかないと思われるなかでも、わずかな希望の光だけを見つめて、その光に向かって進む姿には控えめな声援を送りたくなる。