TS-1+アバスチン療法25クール目の11日目、そこそこ好調です。

さて、昨日「腫瘍溶解ウイルス」について書きましたが、それと同じなのか、同じようで違うのか良く分からないものを見つけてしまいました。「遺伝子治療」のようなのですが、難しくて良く分かりません。どなたか、教えてください・・。

◆遺伝子発現アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療臨床研究
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学のホームページより)
http://www.uro.jp/okayama/torikumi/torikumi01.html
※岡山・・病態学、まで、漢字のみ22文字!長いーっ!

もともと岡山大学で発見されたがん抑制遺伝子「REIC」。岡山大学からライセンスされた桃太郎源というベンチャー企業がキョーリン製薬と共同で、このREIC遺伝子を利用した医薬品を開発しています。

◆アデノウイルス製剤の開発:REIC
(桃太郎源社のホームページより)
http://www.mt-gene.com/seeds/index.html

このREIC遺伝子は正常細胞では普通に発現しているけれども、がん細胞ではその発現が低下しているそう。がん細胞にREIC遺伝子を発現させると、がん細胞を選択的に死滅(アポトーシス)させることができるそうで、それを利用した治療です。

加えて、この治療により免疫が活性化して、それによっても抗がん効果を発揮するそう。これ、昨日のエントリーで書いた話と同じですね。

この治療では、REIC遺伝子(またはそれを導入した細胞)を体内に投与します。投与する際に運搬体(ベクター)として使われているのが「アデノウイルス」。下記のキョーリン製薬のプレスリリースに用語の解説が書かれています。

◆「悪性胸膜中皮腫を対象とする遺伝子治療用医薬品」の JST産学共同実用化開発事業(NexTEP)への採択について
(2014年7月、キョーリン製薬、ニュースリリース)
http://www.kyorin-pharm.co.jp/news/2014/000832.shtml

<用語解説(上記から一部加筆等しています)>

●遺伝子治療:疾病の治療等を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること

●遺伝子治療用医薬品:遺伝子治療を目的に使用される医薬品。この治療で利用する医薬品は「Ad-SGE-REIC製剤」。

●ベクター:目的遺伝子を細胞に導入、あるいは人に投与するときに使われる運搬体。

んー、どうなんでしょう。これは、昨日のブログに書いた「ウイルス療法」と同じなのか違うのか・・。でも、腫瘍を死滅させる、免疫を活性化させる、局所注入というのは同じです。ま、とにかく、がんを治してくれるのであれば、遺伝子治療だろうがウイルス療法だろうが、どっちでも構いませんけどね。

ところで、下記の桃太郎源社のPDFによれば、このREIC製剤を使用した臨床研究は、2011年1月から前立腺がんの26症例で実施され、高い安全性が確認されているとのこと。

また、同臨床研究の成果が論文発表されているようなのですが、「抗がん剤治療の強い副作用と治療抵抗性のために化学療法中止を余儀なくされた患者さまが、2年以上に亘って岡山大学病院での短期入院と新幹線による定期的外来通院を繰り返して寛解に至っており」とのこと。

REIC遺伝子はもともとカラダの中に存在するので、副作用もあまりないみたいです。これは前立腺がんの患者さんの例ですが、まさに夢のような効果ですね。

◆桃太郎源社便り
(下記のページの、平成27年4月号のPDFをご覧ください)
http://www.mt-gene.com/inform/index.html

さらに今年、上記のキョーリン製薬のプレスリリースにある、悪性胸膜中皮腫に対する臨床治験がスタートするそうです。化学療法に抵抗性の生じたものが対象らしく、悪性胸膜中皮腫の方は要チェックですね。

でも、上記のPDFでもそうなのですが「大腸がん」って、こうした遺伝子治療とかウイルス治療とか免疫チェックポイント阻害薬などの対象に明記してなかったりすることが多いんですよね。何ででしょう。良く分からないのですが、悲しいです。

とりあえず、REIC関連の情報を理解しようとしながらまとめましたが、とても時間がかかりました。あー、疲れた。


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