“新威殿”の座長・葉天爽の一家は、後妻の
邱兎搬と前妻との息子の春鴻、その小さな弟と
春鴻の恋人で複雑な生い立ちの黄春蓮の五人。
彼らは歌や踊り、そして火吹きなどの芸を披露しながら、
皮膚の疾患にならなんでも効くという薬を売り歩くパオ
ジャンフーだ。
しかし、口上師がいない葉一座は、それを黄宗斌さんに
手伝ってもらっている。
天爽としては春鴻に早く口上を身につけて独り立ちしてもらいたい
のだが、楽観的な現代っ子の春鴻は兵役などが控えていてなかなか
身が入らない。
ある日、そんな葉一座に見切りをつけた黄さんが、彼らをおいて
去って行ってしまう。
これによって急激に売上を落とした葉一座は、一年をかけて北から
南まで台湾中を回ることにする。
そんな中、春鴻もようやく自分の立場を自覚し、口上の練習に
励み出す。
そして、高雄でのデビュー。
ぎこちない口上ながら、それを春蓮の歌と踊りがサポートする。
この成功により自信をつけた春鴻は、パオジャンフーの口上師と
してこれからもやっていくことを決意する。
そんな春鴻を見て、春蓮も自分たちの将来を夢見るの
だった。