生まれ育った海沿いの町で、漁師の夫、2人の子どもと
共に幸せに過ごしていた佐藤千恵子の暮らしは2011年3月
11日に起きた東日本大震災により一変。
津波に流された夫がいつか戻って来ると信じ、千恵子は地元を
離れずに生きている。
だがあの日を境に、今は離れて暮らす子どもたちも癒えない傷を
抱えていた。
被災のトラウマから子を持つことを恐れる娘・香苗。
何でも震災のせいにして人生から逃げている息子・哲也。
そんな家族の前に、かつて同じ町に住んでいたカン・
ドヒョンが、韓国からある人の手紙を持ってやって来る。
その手紙に託された想いに触れたとき、止まっていた家族の
時間がゆっくりと動き出す……。