ある夏の朝の東京。
まみが目を覚ますと、外には雪が降り、二段
ベッドの上に謎の少女ベアが現れる。
電気や水などのライフラインが途絶し、混乱するなか、
言葉の通じないベアに妙な懐かしさを覚えた
まみは、彼女に惹かれていく。
ベアは火、音楽、宗教、お金、軍隊など
争いのもとになるものがない平和な国から来た
という。
そこは”ユートピア”だと確信したまみは、その
国に強く憧れる。
二人は、絵本『ハーメルンの笛吹き男』に
たどり着き、ベアが1284年にドイツのハーメルンで
笛吹き男マグスにさらわれた130人の子ど
もたちの一人だったことが分かる。
そのころ、東京の子どもたちが少しずつ姿を
消していた。
”渡り”と呼ばれる空間的に鎧国されたユート
ピアからの移動に巻き込まれたユートピア人、
エアリ、コニ、ハロウたちも次々と現れ、力を
合わせてマグスを探していると、マグスを追いかけて同じく
渡りに巻き込まれたユートピアの指揮官オールデに
より、ユートピアに関する隠された真実が明かされる。
それは、ユートピアの地下には火が隠されており、
それを燃やし続けるのが奴隷の子どもたちの仕事
だというものだった。
ここには自分の居場所がないと知ったベアは、ユートピアの
地下で生きているかもしれないハーメルンの子どもたちを救い
たいと望むが、火がなくなればユートピアは滅びる可能性が
あると苦悩する。
エアリとコニは火の存在を隠していた政府に不信感を
抱くが、同時に望郷の念との間で揺れ動く。
そんななか、笛吹き師たちの反撃でベアが倒れる。
マグスの力によってベアの悲しい過去を知った
まみは、決死の思いで笛を奪い、昏睡状態の
ベアを助ける。
ベアたちは子どもたちを解放するために、隠された車
両基地に向かう・・・・・。