7月7日のサントリーホールでの、アンリ·バルダ先生のオールショパンプログラムのリサイタル。
さて休憩を挟み、リサイタル後半です。
プログラムでは、後半の最初はバラードの1番が演奏されるとの記載。
舞台に現れたバルダ先生、ピアノの前に座ってからのご様子、どうも1番の雰囲気ではない………。
美しい前奏が始まって解りました。
何とそれは、4番のバラードでした。
プログラム前半と後半のトップの曲をヘ短調に揃えたかったのか、よく解らないですが、私は、4番で開始された方が、プログラムの流れとしては、好きでした。
そしてそのバラードの4番も、過去に何回か聞いたなかでも、私は1番好きな演奏でした。
どちらかと言うと、激しさやドラマティックな面よりも、叙情的な美しさや優しさの際立つ演奏で、この曲が好きな私は、ちょっと、うるっときました。
次は、夜想曲の3番。
これも、また美しい。
後半は、この感じで気持ちを整えて行き、3番のソナタに向かうのかな………。
やはり、ロ長調の夜想曲を終えると、間髪入れずに、ロ短調ソナタに。
この第3番のソナタの演奏を聴きながら、私は思いました。
ショパンて、なんて力強い音楽なのだろう、と。
それは、バルダ先生の演奏が、その強さを表現していたからに、他ならないからなのですが。
バルダ先生の3番のソナタの演奏、雄大さまで感じるほどの広がりをみせて、圧巻でした。
それは、4楽章からなるショパンの大きな精神世界を、見せてもらった、聴かせてもらった、と言う感覚に近いものでした。
本当に、いったいどこまで進化し続けるのか、凄いバワーと情熱のピアニストのアンリ·バルダ先生です。
さらに言うならば、今回のサントリーホールの聴衆の熱狂振りも、凄かった。
アンコールが終わる度に、ブラボー有りの、立ち上がって拍手する人有りの熱狂振り。
私もそうしようかと、ちょっと思ってしまいました。
終演後は、丁度休憩時間にお会いしたコンサート·イマジンの社長さんに、楽屋にご挨拶に行きたい旨を了解して頂いていたので、早速、楽屋口にて、待機。
久し振りに、アンリ·バルダ先生にお会い致しました。