アンリ·バルダ先生。音楽家は、普通じゃ出来ない話。 | 田中晴子のブログ "La vie quotidienne"

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フランスバロック、近代の音楽大好き。近頃バッハも好き。シューベルトも。アンリ・バルダ先生にピアノを習って21年目。音楽まっしぐら、でも寄り道、脱線のカジュアルブログを始めました。田中晴子オフィシャルサイトも宜しく。https://www.harukotanaka.com

前回の記事、アンリ·バルダ先生とのスカイプでの話の続きとなります。


 



さて、だいぶんアンリ·バルダ先生から受けた超特急のパワーが、落ち着いてきた。


2~3日かかったわ。


と言いながらも、やはりそのエネルギーには、学ぶところはあるのでした。



そのパワーを、全部音楽にぶつけるから、その時創るものも、すごい事になるのです。


それなのに、演奏会が終わるといつも上手く行かなかった、と早速自分を責め始める。


毎度の事です。


先日の電話でも、また始まるのでした。


今回は、自分はクレイジーだ、とまで言い出したので、さすがに私も言っちゃいました。


ステージの上で、あれだけの事をしたら、その後、クレイジーになるのは当たり前。


2019年のショパンのソナタ。

あんなすごい完成度と、独特で深い表現は聞いた事がない。

特に3番のソナタは、私が聞いた中での、先生の最高のものだった。

名古屋で聞けた人は、幸せです。


2021年の紀尾井ホール。

私の好みで言うと、フォーレにベルク、さらにラヴェルは最上の音楽でした。


あれだけの事をした後、まともでいられるほうが、おかしいです、みたいなニュアンスが伝わったみたいで、何故かバルダ先生、黙ってしまわれた。


私、ちょっと言い過ぎたのかしら…。

あるいは、私の真意を理解してくださったのか……。


私、音を扱っていて思うのですが、どうせ音楽家は、クレイジーになるものだ、と密かに思っています。


それほど、大変な作業ではあるのです。


そんなこんなの話が、結構長く続いていたのでしたが、その間、私も必死で応戦していたのでした。