前回の記事、アンリ·バルダ先生とのスカイプでの話の続きとなります。
さて、だいぶんアンリ·バルダ先生から受けた超特急のパワーが、落ち着いてきた。
2~3日かかったわ。
と言いながらも、やはりそのエネルギーには、学ぶところはあるのでした。
そのパワーを、全部音楽にぶつけるから、その時創るものも、すごい事になるのです。
それなのに、演奏会が終わるといつも上手く行かなかった、と早速自分を責め始める。
毎度の事です。
先日の電話でも、また始まるのでした。
今回は、自分はクレイジーだ、とまで言い出したので、さすがに私も言っちゃいました。
ステージの上で、あれだけの事をしたら、その後、クレイジーになるのは当たり前。
2019年のショパンのソナタ。
あんなすごい完成度と、独特で深い表現は聞いた事がない。
特に3番のソナタは、私が聞いた中での、先生の最高のものだった。
名古屋で聞けた人は、幸せです。
2021年の紀尾井ホール。
私の好みで言うと、フォーレにベルク、さらにラヴェルは最上の音楽でした。
あれだけの事をした後、まともでいられるほうが、おかしいです、みたいなニュアンスが伝わったみたいで、何故かバルダ先生、黙ってしまわれた。
私、ちょっと言い過ぎたのかしら…。
あるいは、私の真意を理解してくださったのか……。
私、音を扱っていて思うのですが、どうせ音楽家は、クレイジーになるものだ、と密かに思っています。
それほど、大変な作業ではあるのです。
そんなこんなの話が、結構長く続いていたのでしたが、その間、私も必死で応戦していたのでした。