何かで、こんな事を読んだ。
フランスブルボン王朝ルイ15世の時代、クープランの後、フランスを代表する作曲家で、音楽理論家であった。
確かに、残されている肖像画を見る限り、長身痩躯、頭とても良くて、話しかけるには、かなりの勇気と、準備が必要。
音楽理論書なんか、書いているんだから、変な事など言ったら、どんな目に合うのだろうと、私など想像を逞しくしてしまう。
そんな人に、雌鳥……La Poule と言うクラヴサン曲がある。
4分の3拍子、ト短調。
非常に面白い、無駄のない的確な表現、かつ格好いい。
なのに、冒頭ソの8分音符の連続する音の下に、雌鳥の鳴き声よろしく、co co co co co cocodai と、丁寧に書き入れてある。
雌鳥と言っているから、もう解っていますよ、鳴き声でしょ。
わざわざ本人が、こんな事するかしら。
さらに、これは、イタリア語での、鳴き声の表記に近い。
もし、本当に本人が書いた事ならば、勝手な想像ですが、余程あたまに来た事が、あったのでしょう。
こんなに、理路整然とした人は、無駄は多分お嫌いでしょ。
あるいは、ふざけたか?
私は、前者の説をとります。
だって、タイトルが、雌鳥です。
雄鳥 Le Coqなら、ここまでしないと思う。
ラモーは、人間嫌いと言うよりは、自分が理解ができない人には、触らないでおく。
やっかいな事は、誰でも嫌ですから。
それでも解らずに、ちょっかいを出す相手には、ラモー、一流のやり方がある。
そんな風に、想像を働かせて弾くと、ラモーに限らず、バロックは面白いです。