まちづくり委員会所管対象は主に総務、財政、土木費(道路、公園、浸水対策)や、水道上下事業。
注目していた下水道事業は特別会計から企業公会計に移行した初の決算審議となりました。
結果は162,016,514円の赤字決算。

初めに特別会計(一般会計ではない別の財布)から企業公会計への移行について。
特別会計は現金主義単式簿記。
課税した時点ではなく、実際に納税した段階で収入とし、物品では契約をした時点ではなく支払った時点で費用として処理されます。
企業公会計は発生主義複式簿記。
債権が発生した段階で費用として計上されます。
つまり『何を記録するか』、『どの時点で記録するか』による違いであり、現金主義では現金の増減、経済資源の全ての動きを把握する必要がある会計は発生主義です。

複式簿記は、例えば施設整備建設の支出の際、その時点では費用と考えず資産として記録、そして減価償却として使用期間を通じて費用として認識していくものです。(期間収益計算)

何が言いたいかというと将来を見通せる会計方式になって、初めての決算で赤字を計上したという結果になったということ。

星地方公営企業法による原則。
料金はその財又はサービスを供給する原価により決定(同法21条2項)
→長期的に赤字も黒字も出さないようにする。
→提供される財又はサービスは利用者が負担する。独立採算性=受益者負担の原則。

星下水道事業の原則
雨水公費・汚水私費の原則
雨水処理は公費負担で一般会計から。(皆恩恵を受けるから)
汚水は恩恵を受ける利用者から。

その上で以下の質問をしました。

『企業会計方式により将来の見通しが容易に推察出来るようになった。将来に備えた減債基金(借金返済のための貯金)、建設改良積立金(設備更新等)も0であり、厳しい決算内容だと思う。
固定費を変動費に変える努力はどうか?
水洗化率を上げる努力はどうか?
→(答弁)固定費を変動費にするのは中々難しいが、常々努力している。

『汚水処理経費のうち、使用料で回収している割合はどうか??
→(答弁)汚水処理原価127.4円、
使用料単価98.3円で経費回収率は77.2%です。

お分かりですか??
原価とサービス料が合っていないという事実。使用量を増やすほど営業すればするほど赤字えーん
原則論、この経費回収率77.2%を100%へ埋める努力が必要ということです。
ただし、公共性が強い事業であるため様々な議論があるということも注記しておきます。

取水についても質問。
大阪市水道の方から取水する方が安いと聞くが、取り組みはどうか?
→議員ご指摘の通り、1㎡あたり5円安い。
様々な縛りがあり中々難しいが最大限努力している。
右矢印安い方が良いので様々な手法を駆使して努力して下さい。

持続可能な事業とするための不断の取り組みへ向けて引き続き、調査研究していきます。



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大東市議会議員 中村はるき
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参考文献:図解よく分かる自治体決算のしくみ(学陽書房刊、磯野隆一著)
図解自治体財政はやわかり(学陽書房刊・兼村高文著)