酷暑の中、久しぶりに歌舞伎座へ。まずは喫茶室「檜」で🍓のかき氷を頂く。上野の有名なかき氷のお店が来て作って下さっているとのこと。

近頃見つけるのが大変なシロップだけのかき氷、本当に有難い。

かき氷は爽やかに食べたい。練乳やクリームはいらん。

その後は、これも久しぶりの一幕見席へ。幕見の予約というのも変な感じだけれど、時代の流れなのだろう。欧米系の観光客で賑やかなのも久しぶりに見る光景である。

 

「団子売」

杵造(坂東巳之助) お福(中村児太郎)他

 

 若く達者な二人の踊りが本日のオープニングアクトである。

 

「新・水滸伝」

林冲(中村隼人) お夜叉(孫二娘・中村壱太郎) 李逵(中村福之助) 張進(中村歌之助) 彭玘(市川團子) 祝彪(市川青虎) 燕青(市川寿猿) 時遷(嘉島典俊) 姫虎(顧大嫂・市川笑三郎) 青華(扈三娘・市川笑也) 王英(市川猿弥) 高俅(浅野和之) 公孫勝(市川門之助) 晁蓋(市川中車

魯智深(松本幸四郎)他

 

 よその御曹司達が加わり、一門は隅に追いやられてしまうのか?という不安は冒頭ですぐに消し飛んだ。團子さんがしっかりと導入部分を勤めた後は、たとえ台詞は少なくとも一人一人が光る舞台はそのままだった。

 笑三郎さんのジェンダーレスで濃厚な色香はスケール感がいや増し、梁山泊の主はこの人なんじゃないかと思ってしまう位。笑也さんと猿弥さんのカップルはじゃれあっているようで見ていて楽しい。青華も強さになよやかさがあって、笑也さんにふさわしい御役で大好きだ。

 燕青に代わった寿猿さん、相変わらずお元気そうで嬉しい。2階ロビーに展示されていた寿猿さんのうちわに胸が熱くなった。文杏は今回段之さん。この方の自由なおばちゃんぶりも頼もしい。宋江は喜猿さんに代わり、宋江だった猿三郎さんは仕立屋侯健で登場。浅野和之さんの高俅もいいんだけど、中車さんと役を代わってもよかったのでは(怖いか・・・)。

 主役林冲は隼人君。男臭さと繊細さを併せ持つ役柄は隼人君に合っている。壱太郎君のお夜叉は母性を感じさせる。「自分自身に縛られて、どうするんだい」という青華への言葉つきは、素直に優しさといたわりが表現されていて、こちらの方が安心するかな。

 最後に幸四郎さんが花和尚魯智深で登場、華を添える。今までとは異なり、集合写真のようにきめた幕切れも、個々の役者さん方の内にみなぎる力を感じさせて新鮮だった。