神様がくれた宝物
友へ-もがり笛-
冬の荒れ狂う吹雪の夜
遥か遠く笛の音がかけ抜ける
ああ
あれが亡き父の言っていた
山頭火のもがり笛か
行き場が見つからぬように
吹き荒れ悲鳴をあげている
やがて悲鳴は規則的な笛の音に落ち着き
それは天空を昇る古い夜汽車の汽笛に変わる
こんな夜更けに誰を乗せて走るのか
窓の灯りに映る人々の顔は
皆どこか虚ろで
頼りなく心もとない
疲れた人々の
魂の欠片を拾い集め
しかし夜汽車は力強い汽笛を鳴らし
冬の空を切り裂くように
かけ昇っていく
2004.12.6(04:10)
チヒラ
雪
雪って
暖かく優しい色をしている
そう
全てを包み込み許してくれる
そんな優しい色をしている
キラキラと光に反射して七色に光る
陰は穏やかな灰色の濃淡に
雪は白ではないんだなぁ
そっと目を閉じた
雪の光の残像が
目の奥で
鮮やかな橙色になる
真っ直ぐに降り積もる夜は
全ての音を吸収した静寂の中
ただただシンシンと
私に語りかける
キンと張りつめた心を
柔らかくした
2004.2.17(03:05)
故郷の冬のイメージ
初めての地で
頑張る友へ
(2004応募詩篇より)
アプリ