その気持ちの名前を(アランBD2024)
「あ、レイナちゃん」
レイナと庭を散策していると、嫌なヤツが声をかけてきた。
俺が一人で歩いていても声をかけてくることはあるが、基本的に無視を決め込む。
しかし今日ヤツが話しかけた相手はレイナで、当然レイナは足を止めるから俺も立ち止まらざるを得ない。
「こんにちは、レオ」
「こんにちは。レイナちゃんに会いたくて探してたんだよ」
そして俺のことはまるで目に入っていないかのように、レイナと話し始めた。
「レイナちゃんは1月23日が何の日か知ってる?」
「……1月23日?」
俺は口の中だけで小さく舌打ちをする。
「うん。実はね」
レオが勿体ぶるように言葉を切って、俺をチラリと見た。
「俺……の誕生日なんだ」
そして1月23日。
今日……俺、の誕生日でもある。
だからといって特段予定がある訳ではない。365日のうちのたかが1日。
いつもと変わらない日常……いや、レイナが出掛けてしまったが故に暇だ。
この間レオが話し掛けてきた時、レイナは驚いて何故か俺の顔を見て何かを言いかけ、その後ハッとしたように視線を逸らした後、再びレオを見た。
レオは吹き出すように笑うと、その日に出掛けようとレイナを誘った。
レイナはしばらく考え込んだあと、その誘いを了承し……そして今に至る。
あの時、俺が同行するかどうか考える前に、レオがニヤニヤしながら俺に告げた。
『デートについて来るなんて無粋じゃない?』
レオの言葉は不愉快だが、確かに同行したところで退屈なだけだ。
そう考えれば面倒な役目を免除されて嬉しいはずなのに、何故かむしゃくしゃした気分が拭えない。
一緒に行きたかった訳じゃない。
ましてや誕生日を祝ってほしかったなんてガキみたいな思いはない。
それなのにこのモヤモヤは何なんだ?
自分で自分の気持ちの説明がつかず、ただ苛立ちがつのる。
「クソ……っ!」
この苛立ちは剣にぶつけるしかなく、俺はいつもの如くひたすらに剣を振っていた。
訓練中の騎士も何人かいたが、機嫌の悪い俺には近寄ってこない。
「おい、誰か相手しろ」
「ひぇ……きょ、今日はもう上がろうと思っていたので失礼しますっ……!」
部下たちは蜘蛛の子を散らすように退散し、俺は一人闘技場に残された。
最近はなんだかんだとレイナと一緒にいることが殆どだったから、ぽっかりと空いた時間に何をしたら良いのか戸惑う。
今頃アイツはレオと一緒に過ごしているのかと思い浮かべたところで、イライラとした気分がまた湧き上がってきて、そのことに更に苛立つ悪循環。
余計な思いを振り払おうと再び剣を構えたところで、ジルが血相を変えて走ってきた。
「アラン殿!城下でプリンセスとレオが襲われたと言う一報が……!」
俺は部下への指示をジルに託すと、すぐさま単身城下へと馬を走らせた。
街はざわついていて、騒ぎが起こっている場所はすぐ分かった。
馬から下りると、俺は路地裏へ駆け込む。
果たしてそこにはレイナを背に庇うレオがいた。
レオとレイナの背後は壁だが、周りをぐるりとガラの悪い奴らに取り囲まれている。
相手は5人。俺一人で相手をするには少々分が悪い。
しかも奴らは最近物騒な事件を立て続けに起こしている裏組織の一部。だとすると他にも仲間がいるはずだ。この場だけを抑えても、次々と仲間が現れると厄介だ。
「アラン」
どうしたものかと戦略を頭の中で練っていると、小声で呼ばれ袖を引かれた。
見れば顔なじみの酒屋だ。
「レオたちのいる横の細い路地に入れば、俺の店の裏口があるんだ。あいつらの気を逸らしてくれれば店に匿える」
俺はもう一度状況を見定める。
レオがこっちの意図に気づいてくれれば、隙をついて逃げ込むことは出来るだろう。
ただ俺がこちらから切り込んで、敵を惹きつけている間に逆方向に逃げたらマズイことになるかもしれない。
奴等の目的が何なのか、それが分かればこちらの動き方ももう少し考えられるが……。
そんなことを思い巡らせていると、レオの声が聞こえてきた。
「お前ら、逆恨みか?」
あからさまに嘲るような響きを持ったその言葉に、奴等は怒りを顕にする。
「だったら何だ?邪魔なものは消す、それだけだ」
「へぇ?俺はお前らに会ったこともないんだけどな」
「はっ!お前が俺たちを捉えようと動いてんのは知ってんだよ。何人もの仲間がお前のせいで牢屋行きだ。恨みがねぇ訳ないだろう」
なるほど。
レオが組織の殲滅のため動いているのは俺も知っていた。
俺が物理的に奴等を捕縛するのに対し、レオは捕らえた奴等や周囲から情報を集めて資金源や協力者などを潰して組織の弱体化を図っている。
「じゃあ、俺に対しても相当恨みがあるんだろうな」
「アラン=クロフォード!」
消していた気配を明確な殺気に変えて姿を見せると、男は歯ぎしりの音が聞こえそうなほど顔を歪めた。
レオと違って、俺はこの中のリーダーらしい男とは面識がある。
こいつの眼の前で何人もの仲間を捕らえたが、こいつ自身は辛くも取り逃がした相手だ。ここで会ったのもラッキーと言えるかもしれない。
「……」
レオにチラリと視線をやると、いつもと変わらず不敵に笑っていた。
そしてほんの僅か指先を横の小路に向けて曲げてみせた。
レイナも思ったより落ち着いている。
俺は意識を眼の前の光景に留めたまま、瞼を閉じる。
感覚が研ぎ澄まされ、雑音が消え、周囲の状況が手に取るように脳裏に浮かんでくる。
目を開けると、俺はゆっくりと剣を鞘から抜いた。
リーダーらしき男は眉間のシワを深めて俺に剣を向けたが、ジャリッと音をさせた足元は僅かに後ずさっている。
「……そんなんで俺と対峙しようなんて100年早ぇよ」
「何だと!?」
相手が吠えるより早く、俺は踏み込んでリーダーの手前にいた男の短剣を弾き飛ばし、すぐさま剣を返すと峰打ちでそいつの足を折る。
その隙にレオがレイナの手を引いて小路に駆け込むのが見えた。
「そうはさせるかっ!」
どこから現れたのか、小路の先から声が聞こえる。
しまった……やはり仲間が出てきたか。
騎士団の奴等が到着したのを感じ取って切り込んだのだが、相手もそれなりの人数がいる。
「レイナちゃん!」
レオがレイナを引き寄せ、相手の腹に拳を叩き込むが、剣と素手じゃ相性が悪い。掠った剣がレオの腕を傷つけていた。
不意打ちを食らった相手も苦しそうな顔をしながらも体勢を立て直している。
あと数メートルで例の酒屋の店の扉。
レイナを安全な場所に連れて行くだけでも加勢したいが、こっちの状況もそう簡単では無い。
止むを得ず、まず俺がこっちで目の前の奴等を片付けているうちに、レオが猛然とレイナを連れて走り出した。
「レオっ!」
扉の寸前でレオはレイナの手を離し、開いた扉にレイナが吸い込まれるのを見た。
ひとまずレイナの安全は確保出来たが、レオは?
扉で遮られた視界に冷や汗が背を伝う。
扉が再び閉じ、開けた視線の先では、相手の剣を躱して体当たりを食らわせ大きく肩で息をするレオの姿。
俺も大きく息を吐く。
「貴様……っ!」
こちらからレオの表情は見えないが、恐らく平然と人をバカにしたような笑みを浮かべているのだろう。相手が苛立っているのが分かる。
剣の無い状態で挑発してどうするんだ。
レオのことだ、策がない訳では無いんだろうが、時折自分の未来が無いような発言をするレオを思い出し、嫌な予感が脳裏に過ぎる。
「よそ見とは舐められたもんだな、騎士団長サマよ」
その時、俺の至近距離で声がした。
振り下ろされた剣に即座に対応し、俺は目の前の男を突き飛ばす。
「レオ……っ!」
俺は予備の剣をレオに向かって放ると、虚を突かれたようなレオと一瞬目が合った。
「俺が知らないと思ってんのか?しっかり働け」
「ええー」
それだけ言うと俺は再び眼の前の男と向き合う。
「お前と会えて僥倖だよ。今日は逃さねぇからな」
「あんなひょろひょろの官僚なんかに剣を渡してどうにかなると思ってるのか?まあ、お前さんの『助けようとした』って言う建前か」
俺はため息をひとつつく。
男はニヤニヤしながら言葉を続けた。
「ここで会ったことを後悔させてやる」
俺はもう一つ、息をつく。
つくづく馬鹿なヤツだ。
「お前、組織じゃそれなりの地位にいるんだろうが……状況把握が出来ねぇなら上に立つのに向いてねぇよ。腕っぷしの強さだけじゃ組織はまとまらねぇからな」
「何だと……!?」
周囲には騎士団が集まり始め、すでに何人も捕縛されている。仲間がアジトから出てくるところも確認しているだろうし、恐らくはそちらも制圧しているはずだ。
辺りを見回して漸く状況に気付いた男が喚く。
「クソっ……!だがお前が見捨てたあの官僚はもうダメだろう。後はてめぇだけでも……!」
「本当に残念なヤツだな……」
俺が3つ目のため息をつこうとした時、背後から声が聞こえる。
「アラン?まだ遊んでんの?」
「こいつがお喋りなんだよ。すぐ終わらせる」
レオの登場に目を見開いた男の懐に潜り込むと、その首筋に剣をピタリと押し当てる。
「俺は捕まえるのが仕事なんで、お前の命はレオ次第だな」
往生際悪く剣を持つ手を動かそうとした男の手首にも鈍色の剣が押し当てられた。
「動くと危ないよ?まぁ、大人しくして謝ったところで、デートの邪魔された恨みは消えないけどね」
俺は結局3つ目のため息を吐くことになった。
自分が絶体絶命の危機にあった自覚がないのか?
ジロリとレオを睨むと、剣を引く素振りで男の腕を切り付けていた。
「ああ、ごめんね?ついうっかり……プリンセスを危ない目にあわせた罪は大きいから」
男が騒ぎ立てる前に、俺は素早く首を打って意識を失わせた。
「団長!そいつも引き取ります!」
「ああ、頼んだ」
駆けつけた部下に男を任せ、俺は酒屋に連れられて戻ってきたレイナの元へと向かう。
「怪我はない?」
「うん。レオが守ってくれたから……それに」
レイナが言葉を切って俺を見上げる。
「アランが来てくれるって、不思議と怖くなかったんだ」
「あ、そ」
不意に向けられた信頼に、こそばゆい気分が込み上げる。
「えー、俺じゃ信用ない?」
しかし割って入った声に、俺の気分はまた冷え込む。
「アンタ……危ない目に遭うかもって分かってんなら剣くらい持ってけよ」
「ごめんごめん……ここまで来るつもりなかったから大丈夫だと思って。てか、アラン何で知ってたの?」
何を、という対象を曖昧にしたままの問い。
それでも俺はレオが何を聞きたいのか察した。
「……そんなの、アンタが身体鍛えてんのは見れば分かる」
「まー……女の子にはモテたいからね」
それだけが理由だとは思えないが、聞いたってコイツは答えないだろう。
「今日はもう取り敢えず城に戻れ」
レイナに向かってそう言うと、レイナは瞬きをした後、残念そうに眉を下げた。
「そう……だよね。まだ準備できてないんだけどなぁ……」
「準備?」
聞き返すと、レイナがしまったという顔をした。
そしてチラリとレオの顔を見た後、再度俺の顔を見ると、おずおずと切り出す。
「あの、ね。アラン……お誕生日おめでとう」
「は?」
すっかり忘れていた。そう言えば今日は1月23日。
レイナは俺のプレゼントを選びに城下に来たと言う。
しかし……。
「つーか、何でお前が知ってんだよ?」
俺は話した覚えはない。ましてや……。
はたと思い至ってレオを睨む。
レオは舌を出して、おどけたように肩を竦めて見せる。
俺はまさに苦虫を噛み潰した気分で、盛大に顔を顰めて舌打ちをする。
「あ、あの、アラン、レオ」
レイナが俺たちの袖を引いた。
「ね、二人のお祝いをしたいからケーキだけ買って帰ってもいい?」
俺はもう一度大きく舌打ちをすると、レイナの背を押した。
「帰るぞ」
「え……やっぱりダメ?」
あからさまに気落ちした様子のレイナを有無を言わさず馬に乗せ、まっすぐに城へと変える。
レオも他の騎士の馬を借りて、すぐ城に帰ってきたはず。
「……行くぞ」
「え?どこへ?」
訝るレイナを促して、城の厨房へと向かう。
シェフに許可を得て材料を並べると、レイナが目を丸くした。
「え、アラン。ケーキなんて作れるの?」
答えず俺は作業を開始する。
「それ、混ぜて」
レイナにも手伝いを頼むと、嬉しそうに顔を綻ばせてボウルを手に取った。
スポンジを焼いている間に、クリームを混ぜる。
飾り付けに使うフルーツを準備したところで、レイナがスキップをするようにレオを呼びに行った。
「え、何?いい匂い……」
意味も分からず連れてこられたらしいレオが、厨房にいる俺を見て目を見張る。
「え、アラン?ケーキなんか焼けるの?」
「……いいだろ、別に」
オーブンからスポンジを取り出すと、いい感じに膨らんでいた。
正直、普段自分が食うための料理しかしないから、ケーキは見様見真似だ。上手く出来てホッとする。
「アランに料理の才能があるなんて知らなかった」
皿においたスポンジに、無言でクリームを塗っていく。
「ん」
レオとレイナにフルーツの入った容器を差し出すと、目を輝かせたレイナがレオの顔を覗き込む。
「ね、レオ。一緒にケーキ完成させよう?」
珍しく戸惑った様子を見せたまま、レオもぎこちなく頷く。
元々器用なレオは、直ぐに楽しそうに飾り付けを始めた。
完成したケーキをこっそりレイナの部屋に運び、3人でテーブルを囲む。
レイナが紅茶を注ぐ音が心地良く、穏やかな時間が流れる。
「なんだか大変な日になっちゃったけど、改めてアラン、レオ、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう、レイナちゃん。アランも……ほら、ちゃんとお礼言って」
「……別に」
「全く……仕方ない弟でごめんね」
「おい……っ!」
薄々勘付いてはいたが、やっぱりレオがバラしていたようだ。
コイツと双子だなんて事実は、出来れば伏せておきたいのに。
レイナは案の定知っていたようで、フフッと安心したような笑みを零す。
「今日の事件……二人が協力してたんだなって知って、嬉しかった」
「は?コイツと協力なんてあり得ねぇよ」
とんでもないことを言い出すレイナに、そんなふうに思われるのは心外だと慌てて否定する。
「まあまあ、直接じゃないにしろ、結果としては協力したことになるんじゃない?」
「……」
認めたくはないが、確かにレオの言う通りではある。
俺がレオに協力したわけでも、レオが俺に協力したわけでもないが、この国のためにそれぞれの立場で尽くした行為は目的が同じなのだから、方向性は一致する。
「それにしてもせっかくのデートだったのに、邪魔されちゃったね。また今度行こうね」
「アンタ……」
抜け目なく再度レイナを誘おうとするレオに待ったをかける。
「ダメだ。もうアンタら二人では出掛けさせない」
「ええー!?何で?今日絡まれたのは俺のせいじゃないでしょ?」
「アンタが狙われたに決まってるだろ。プリンセスを巻き込むな」
懲りないレオを本気で睨む。
「……ホントにそれが理由?」
「どういう意味だよ?」
全く悪びれずに軽い調子で尋ねられた意味が分からず、聞き返す。
レオはフッと笑みを消して真顔になると、俺の瞳をジッと見つめた。
その視線に心の底を覗かれそうな感覚がせり上がってきて、俺は思わず目を逸らした。
「……まあ、いいや。今んとこはそういうことで」
レオも俺から視線を外すと、ポツリと呟く。
「俺も、まだ自分の気持ちが定まらないからね」
更に小さな呟きに、俺は息を呑んだ。
思わずレオを見ると、レオは下を向いたまま自嘲気味に笑った。
「お互い様だろ?俺たち、そろそろ前に進まないと」
その言葉は、俺の耳から入ってどろりと苦味を残しながら胸に重く溜まる。
「さて。せっかくだからケーキを頂こうよ。紅茶も冷めちゃうしね?」
空気を変えるようなレオの声が響いた。
「うん!あ、ロウソクが無いや……ごめんね」
「ガキじゃあるまいし、そんなの無くていいだろ」
俺も重い気持ちを振り払うように声を出すと、ケーキをカットする。
「いっただきまーす……あ、美味い!」
一口目を食べたレオが、目を丸くする。
「ホントだ!すごく美味しい……!」
レイナも驚いたように声を上げ、笑顔になる。
俺も一口食べて、知らず口元がほころんだ。
「……確かに。上手く出来たな」
レオがケーキを頬張りながら俺に問いかける。
「アラン、いつの間に料理なんて出来るようになったの?」
「さあ……?家を出てからずっと自炊してたからな」
「ああ……そっか」
思い出が一瞬胸の中を交差し、すぐにそれを振り切るように頭を振る。
「食ったら出てけよ。アンタは事後処理があるんだろ?」
「ずるいよな。今回は俺も現場仕事だったのに」
文句を言いながら、レオがケーキを食べ終えて部屋を出ていく。
「ねぇ、アラン」
「ん?」
二人になった部屋で、レイナが俺をじっと見つめた。
「アランがどうやって生きてきたのか、私はまだ知らないけど……」
レイナは一度視線を下げた後、言葉を整理するように少し黙った。
「アランとレオは仲の良い兄弟だったんだなって思うから、また二人が自然に付き合えるようになるといいなって思ってるよ」
告げられた言葉に、戸惑う。
「……仲良くなんか、ねえよ」
「そう?二人は似てるなって以前から思ってたんだけど……」
「は?」
レイナは楽しそうに笑った。
「大好きな二人が仲良くしてくれたら、私も嬉しいな」
『大好き』という言葉に引っかかりを覚える。
「……無理じゃないか?」
その感情が絡んだら、アイツと仲良くは出来ない気がする。まだそれはほんの予感。
俺も、アイツも、まだ自分の気持ちや状況の整理が出来ていない。
ただ……そのうち。
ずっとこのままではいられない。
「……レイナ」
「えっ!」
滅多に呼ばない名前を呼ぶと、分かりやすく驚いた。
「来年は。俺だけを祝えよ」
「えっ?でもレオは……?」
「いいだろ、アイツは」
「良くないでしょ」
「いいんだよ」
自分の気持ちに名前をつけないままでいることは、我ながら狡いと思う。
ただもう少しだけ、このままで。
ロマンスにもシリアスにもなりきれない話ですみません(汗)