私たち夫婦は、私が38歳で妊活を始めた時から、ずっとタイミング法です。今後もそれは変わりません。

なぜかと言うと、タイミング法しか選べない個人的な理由が、私と夫に一つずつあるからです。

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まず、私の方の理由は、「身体の痛みや不快感に極度の恐怖心があるから」。

おそらく、ネグレクト環境で育ち、誰も私の身体をケアしてくれなかった上に、ケアの仕方も教わらなかった影響だと思います。

私は、身体の痛みや不快感に極端に弱く、少しでもそういった感覚があると、「一体何が起きてるんだ!?」とパニックになり、恐怖に呑まれて日常生活がストップしてしまいます。他にも、ささいな不調も重大な病気ではないかと疑ってネット検索したり、病院受診は「何か重大な問題が発覚するのでは」と怯えたり、もう笑い話のレベルです。

また、薬の副作用が強く出る体質で、副作用による体調不良や不快感にもパニックと恐怖心が湧き上がります。そのため、何科であってもできる限り薬は少なめか、飲まないようにしています。

そんな私が、次男の妊活スタート時に、体外受精説明会に参加した時のこと。具体的な治療内容を聞いて、これは自分には到底できそうにない」と痛切に感じました。おそらく、治療の痛みや薬の副作用で、パニックと恐怖心がメーターを振り切り、最後まで治療を継続できずに中断になるだろうとリアルに予想できました。

そのような個人的事情から、私はタイミング法を選んでいます。

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次に、夫の方の理由は、「自分の精子には、人生最初の長い旅路を経験して欲しいから」。

スタート時は1億匹ほどいた同志が、長い長い旅路の途中で一人、また一人と命尽きていき、卵子を待ち構えるゴール付近まで辿り着けるのはわずか100匹程度。

その中でも受精できるのはたった1匹で、同志と競い合いながら、また同志と助け合いながら卵子まで辿り着き、運良く受精できた1匹が命の基礎をつくる…

そんな生命誕生の最初のプロセスを、自分(の精子)が経験することは、夫にとって極めて大事なのだそうです。

*夫の人生や価値観を知っていれば、このような考えも十分理解できるのですが、ブログでは割愛しています。そのため、偏った考えに聞こえるかもしれません。念のために、夫は良識ある普通の人であることを書き添えておきます。

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私は、身体に対する侵襲度が比較的低い人工授精まではOKなのですが、夫は上記の理由から人工授精もNGで、二人の理由を重ね合わせるとタイミング法一択になる、という次第です。

*ご夫婦/カップルごとに様々な事情があって、皆さん、その事情のもとに妊活されていると思います。私たち夫婦は、自分の価値観を周りに敷衍させるつもりはなく、個々の事情や人生が何より尊重されるべきだと思っています。

上記は、あくまで私たち夫婦に限った話ではありますが…

こうして言葉にしてみると、妊活って、生い立ちや価値観も含めた人生そのものが表れるなぁ、と改めて感じます。