40代前半の女性を目にした時、一般的には、どんな時期を歩んでいるとイメージされるのでしょうか。

メディアが発信する情報の影響から、すぐに思い浮かぶモデルパターンが2つあります。

【パターン1:子ども中心の場合】
30代前半〜半ばで出産して、子どもは小学生。戸建てのマイホームも購入して、主だったライフイベントが落ち着き、自分時間も少し持てるようになり、専業主婦orパート勤めをしながら輝いている。


【パターン2:仕事中心の場合】
仕事で順調にキャリアを積み重ね、役職に就いたり、後輩を指導したりして職場で頼られるポジションにいる。マンションのマイホームも購入して、オンもオフも自分時間や夫婦時間が充実して輝いている。


両者の組み合わせもあると思いますが、いずれにしても、「今までの積み重ねの上に人生の道筋がある程度できて、落ち着いた輝きのある時期」というイメージが一般的ではないかと想像します。(あくまで私の想像ですが…)

翻って自分のことを考えた時、私の40代前半というのは、

「新しく一からスタートする時期」

だなぁと感じます。

長男が亡くなった事を機に、人生の道筋も価値観も一変して、

専業主婦を一からスタートし、
妊活を一からスタートし、
育児を一からスタートし、
引っ越して住環境も一からスタートしています。

人生の第一幕が終わり、第二幕が始まったのが40代。落ち着きと言うよりは、フレッシュ。毎年4月になると、満開の桜を背景に新入生や新社会人が映った広告が並びますが、どちらかと言うとあの雰囲気に近い気がします。

それは、「高齢出産・高齢育児は大変」などとネガティブな視点から語られることも多いのですが、人生ってもっと複雑で奥深く、「面白い第二幕が始まった」という視点も事実だと感じています。

また、「モデルパターンに嵌まれば安泰&幸せで、モデルパターンから外れたら苦労ばかり&不幸なのか」と考えると、そんな単純じゃないよ」と多くの人が思うのではないでしょうか。

ロボットじゃあるまいし、人間はそんな単純なパターン化に収まる生き物ではないわけで、むしろ問題なのは、そういった画一的なパターンを提示して、「これが安泰&幸せだよ(これしか安泰&幸せの道はないよ)」とメタメッセージを送る社会/メディア側のような気がします。

私たちが天動説を信じて疑わないように、社会/メディアのメタメッセージが繰り返されれば、それを「この世の理(ことわり)だ」「自明の事実だ」と信じて疑わず、その前提のものに人生設計を組むことになります。

女性の40代って、もっと多様で、多彩で、それぞれの生き方に輝きがある気がして。少なくとも、自分自身や周りの女性に対してそんな眼差しでいたいなぁと思います。