なにも40代に限ったことではありませんが、妊娠率や流産率といった数値が、水戸黄門の印籠のように語られる度にモヤモヤすることがあります。それは、

 

「その数値は、本当に私のことを言ってるの!?」

 

…ということ。

 

そもそも論として、

 

「女性は、年齢が上がるにつれて自然妊娠する確率は低下し、流産する確率は高くなる。」

 

これは、生き物として自然の摂理だと思うので、なんの引っかかりもなく、私もこの摂理に従っていると頷けます。

 

問題は、確率の数値が出てくる時なんです。

 

ネットで調べると、40歳での自然妊娠率は5~10%、流産率は30~50%あたりで書かれているサイトが多いので、仮に「40歳での自然妊娠率は5%、流産率は30%」とします。

 

この5%の数値がどうやって導き出されたかと言うと、おそらく、

 

「研究対象となったあるクリニックで、妊活している40歳の女性100人の結果を調査したところ、一定期間のうちに5人が自然妊娠し、95人がしなかった。」

 

…という調査法だと思うんです。流産率30%も同じだと思います。(実際には1000人とか10000人とか、もっと調査人数が多いのだとは思いますが。)

 

この時、当然ながら、調査対象者に私は入っていません。これはあくまで統計上の数値=人数で見ているだけであって、私個人の自然妊娠率を説明するものではないと思うんです。

 

そのため、もし不妊治療クリニックの医師が、私に対して妊娠率の説明をするなら、

 

「40歳だと、自然妊娠率は5%まで下がりますからね。」

 

ではなく、

 

「40歳での自然妊娠率は5%、という統計上のデータがあります。ですが、実際は体質やタイミングの取り方、パートナー側の要因なども含めて個人差が大きいので、あなたが自然妊娠できる確率は、40歳という年齢だけでは判断できず、色んな情報を丁寧に伺わないと何とも言えません。」

 

…だと思うんです。5%という数値は、先に挙げた自然の摂理を具体的にイメージするには良いと思いますが、「私個人の自然妊娠率」と捉えるのは間違っている気がしてなりません。

 

だから、不妊治療クリニックの医師であれ、ネット上であれ、友人知人であれ、私個人の話をしている時に、こういった数値だけを全ての人に当てはまる絶対的真実のように語るのはどうなのかなぁ…と思ってしまいます。(そのように語られる機会があまりに多いので…)

 

妊活って、とても繊細で大切な領域なわけです。だからこそ、統計上の話と、たった一人しか存在していない私個人の話と、その違いをきちんと分けて話してもらえると嬉しいなと思います。

 

妊活している女性がみんな関心があるのは、統計上の一般論ではなく、いつだって「この私が、どうすれば無事に妊娠・出産できるか」なわけですから。